【時論】金正恩2年間の統治の3大キーワード
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.10.24 11:25
金正恩(キム・ジョンウン)が父親を継いで北朝鮮の統治の前面に出て2年を目前に控えている。スイス・ベルンの公立中学校で6年半にわたり早期留学するなど先代とは違った成長背景から彼の執権に期待感があったのは事実だ。彼は欧州の自由民主主義と市場経済を経験した。このためトウ小平の中国式全面開放ではないにしても最低限の柔軟な変化は試みないかという肯定的な予測をする人が少なくなかった。だがそれに対する期待は次第に失望に変わり、楽観よりは悲観的観測が大勢だ。29歳の不安な権力者は夫人の李雪主(イ・ソルジュ)を伴っているのを除くと先代の統治とこれといった違いを見つけるのは難しい実情だ。
独裁国の指導者が西側世界に留学したからと民主的統治をしたりはしないという国際政治理論が妥当性を得ている。シリア国民の民主化要求を無慈悲に踏みにじっているアサド大統領は1992~94年に英国に、クメール国民200万人を虐殺したキリング・フィールドの主人公ポル・ポトは49~53年にフランスにそれぞれ留学した。
彼の2年間の執権キーワードは3種類に圧縮される。まず、粛清と好戦性だ。金正日(キム・ジョンイル)の霊柩車に随行した李英鎬(イ・ヨンホ)ら父があてがった4人の護衛武士は1年もたたずに粛清され姿を消した。父の権力を本人の権力に変える過程で無慈悲な兎死狗烹が発生した。不安定な権力は必然的に血の粛清を呼び起こす。逆説的に粛清は権力を不安にする。この場合独裁者は外部に関心を転換する戦略を使う。最近国家情報院の南在俊(ナム・ジェジュン)院長は国会情報委員会で、「金正恩が内部的に『3年以内に武力統一をする』と常に豪語している」と報告した。北朝鮮は昨年9月に「戦時事業細則」を改正し戦争を宣布できる3種類の状況を追加するなど対南武力統一路線を具体化した。