【コラム】ASEANに目を向ける日本
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2012.10.01 09:21
「この国の人たちはすぐに浮かれる。器が小さくて、すぐに満たされるからだ。見識が浅く、度量が狭く、小さなことでもやり遂げれば直ちに天下が自分のものになったように偉そうに振る舞う。西洋人は戦った後に握手をするが、彼らは3代にわたり復讐しようと歯ぎしりする」。
熱しやすく冷めやすい韓国人のことではない。魯迅の「阿Q正伝」以来、最も痛烈な中国批評書といわれる柏楊の「醜い中国人」に出てくる言葉だ。歴史が悠久で国土が広大な国に住む中国人だが、実際は広い心や包容力とはかけ離れているという自己批判だ。
隣国と島をめぐって争う中国がすぐに経済制裁カードを取り出すのをみると、柏楊の観察は間違っていないようだ。今年に入って中国はフィリピン産バナナ、日本産工業品の通関を遅延させた。2010年には日本にレアアース(希土類)の輸出を禁止した。中国国内での反日デモ当時、日本企業の製品・販売店や現地工場、さらに一般の日本人が攻撃を受けたというのには驚く。共産党機関紙の人民日報が伝えた、「中国は1000人の敵を殺すために味方800人を犠牲にするという覚悟で立ち向かう」というぞっとするような表現は、柏楊がいう復讐心を見ているようだ。