【社説】KT火災、超連結社会の大韓民国に衝撃を投げかけた

【社説】KT火災、超連結社会の大韓民国に衝撃を投げかけた

2018年11月26日09時22分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  KTアヒョン支社地下通信溝火災が「超連結社会」の韓国に根本的な質問を投げかけた。単純に管轄地域のKT利用者の不便問題だけではない。日常の不便を超え、経済・社会・安保など韓国社会の基盤が脅威を受け崩壊しかねない可能性を振り返らせた。

  電話線16万8000回線、光ケーブル220セットを燃やした火は有線・無線電話、インターネット、インターネットテレビ(IPTV)、カード決済を無用の長物にした。利用者はあっという間に「過去」に戻った。一部で「石器時代」という比喩までされるほど衝撃は大きかった。公衆電話に列ができる珍風景が広がるかと思えば、店では現金を出さなければならなかった。ナビゲーションが使えなくなる目がくらむような経験をしたというドライバーもいた。

  個人の不便だけにとどまらなかった。館内の緊急通報通信が切れ各警察署の112(日本の110番に相当)状況室職員がソウル地方警察庁総合状況室に移動して勤務した。警察警備電話と一般電話が作動せず通報に支障を受けたりもした。病院では医療陣呼び出し電話と救急室の電話が不通になる危険があり、竜山(ヨンサン)にある国防部の内部・外部電話網が途切れる事態も発生した。どれもが危険な状況だ。通信の途絶が安全と保安に直結するという事実を新ためて感じさせた1日だった。

  経済的被害もこの上なく莫大だ。カード決済ができずお客が帰る店もあり、出前の注文を受けられず棒に振った飲食店もあった。せめて土曜日に事故が起こり金融取引や企業活動に大きな影響がなかった点は不幸中の幸いだった。被害補償をめぐる問題も広がる兆しだ。KTの約款にはサービス障害にともなう補償規定はあるが、通信障害にともなう二次被害に対しては明確な規定がない。生業に被害を受けた自営業者らが実質的補償を受けられるようKTと韓国政府が誠意ある措置をしなければならない。

  通信施設に問題が発生すれば国民の日常が一瞬にしてまひするが、管理はあまりにお粗末だった。事故が起きた通信溝は消火器が置かれていただけでスプリンクラーは設置されていなかった。現行の消防法では地下溝の長さが500メートル以上の場合にだけ燃焼防止施設と自動火災探知設備を備えるようにしているためだ。電力線と各種通信線、上水道管、温水管など生活関連の重要供給施設をひとつにまとめた地下共同溝は国で管理する。だが個別の地下溝は該当機関が管理することになっている。KTアヒョン支社が「通信設備集中局」でありながら通信装備を分散収容しておらず、週末の常駐職員が2人にすぎないのも問題点と指摘されている。通信の重要性がますます高まるスマートライフ時代に比べ関連規定はアナログ時代にとどまっている形だ。

  韓国は世界が認める情報通信技術(IT)強国だ。来月1日には世界で初めて移動通信の5Gサービスも始まる。ITを基盤とした第4次産業革命も進行中だ。すでに経済・社会・文化・安全など生活の全領域で通信のない暮らしは考えられなくなった。超連結社会であるほど通信の物理的崩壊が招く結果は想像できないほど大きい。

  不純勢力のテロ、あるいは想像していない事故で通信網が毀損される場合、国民の生活基盤は簡単に崩れかねない。通信溝火災ひとつで多くの利用者が「原始体験」をした1日はこれを確認させた。ドイツの社会学者ウルリッヒ・ベックが現代社会を「危険社会」と規定したのもまさにこのためだ。モノのインターネット基盤の自動運転車が日常になった状況で一昨日のような通信障害が起きたならどんな事態が広がっただろうか。

  韓国社会はすでに何回も通信溝火災や通信網まひを体験した。1994年ソウル・鍾路(チョンノ)5街と大邱(テグ)の地下通信溝火災、2000年ソウル・汝矣島(ヨイド)の電気・通信共同溝火災、2003年ソウル・恵化(ヘファ)基地局まひ事故などがその事例だ。こうした経験にもかかわらず通信網の安全と保安の弱点はあちこちに残っている。今回の事故で金融機関や国家重要施設が被害を受けたならば途轍もない国家災害につながったかも知れない。KTは迅速な復旧に総力を注がなければならない。当局は通信網に対する大々的点検に出なければならない。事故発生時の通信会社間の有機的協力体制構築のような対策策定も急がなければならない。

  超先端通信、自動運転車、人工知能のような文明の利器がどれだけ発展したとしても結局人が作って管理する。安全がないならばこれらすべてが砂上の楼閣だ。
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