大胆だ。全２６２の役員職のうち、３分の１（８１）をなくした。超スピードだ。日曜日の１２日に本部長会議を開いて「役員全員、辞職願を提出せよ」と最後通告を送ってからわずか４日で役員陣を全面交代させた。

現代重工業グループが１６日に発表した役員人事は、「超強気」という表現で要約される。人事の幅が大胆だったし、スピードは市場の予想よりもはるかに素早かった。

先月から非常経営体制を指揮している権五甲（クォン・オガプ）社長（６３）が「人事台風」の刀を抜いたのだ。それだけ状況が急務だったという話もなる。現代重工業は創立以来最大という１兆２９００億ウォン台の上半期の営業赤字を出した。

昇進人事は最大限に縮小された。ハ・ギョンジン現代三湖（サムホ）重工業代表理事副社長と、ムン・ジョンバク現代オイルバンク代表理事副社長がそれぞれ社長に昇進選任された。イ・ソンジュ現代重工業常務が専務に昇進するなど３１人が昇進し、パク・ヒギュ部長ら２８人が新規役員（常務補）で選任された。昨年の昇進者が５８人、新規選任が５８人だったことに比べれば昇進規模が大幅に減った。現代重工業の関係者は「組織を縮小して意志決定が速かに行われるようにして、ここに適合する人材を配置することが今回の早期人事の核心」と説明した。

現代重工業グループで初めて生産技術職出身の役員が出てきたのが注目される。ノ・ドンヨル現代重工業の造船事業本部の技正が常務補に昇進した。１９７４年に７級技師として入社したノ新任常務補は、原油ボーリング船（ドリルシップ）など船舶の品質検査分野の第１人者に挙げられる。業界では疎通を重要に思う、権五甲社長が「現場から答えを探せ」というメッセージで挨拶をしたという評価が出てきた。

オーナー一家も前面に登場した。鄭夢準（チョン・モンジュン、６３、元国会議員）現代重工業大株主の長男チョン・ギソン現代重工業経営企画チーム首席部長（３２）が常務に選任された。常務補を経ずに２段階昇進したものだ。彼は２００９年に入社した。オーナー一家を役員陣に選任して組織内の緊張感を高め、後継構図を強化するための布石だという解釈が財界では出てくる。

世界第１位の造船企業である現代重工業が劇薬処方を持ち出したのは、２００８年金融危機以後の低価格受注にともなう「余波」だ。