【中央時評】だれも災いを代わりに防いではくれない=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.19 13:11
悪い行動には制裁を加えなければならない。挑発を防ぐためにこれを全世界に広く知らしめるのは当然の外交的手順だ。問題は果たしてこうした“メガホン外交”がどれだけの効果を出せるかという点だ。李明博(イ・ミョンバク)政権の5年間、私たちは後先を顧みない報復論を数えきれないほど目撃したが、どれひとつとして核実験、ミサイル試験発射、そして哨戒艦爆沈や延坪島(ヨンピョンド)砲撃のような北朝鮮の挑発を防ぐことができなかった。南北関係が苛虐的報復と自虐的反発で点綴される感情的争いになったら残るものは最悪の結果だけだ。
破倫的毒舌で一貫した北朝鮮と向かい合って座ることが喜ばしいはずがない。しかし南と北の間にはすでに金奎ヒョン(キム・ギュヒョン)と元東淵(ウォン・ドンヨン)という高官級対話窓口がある。公開された公式会合が難しいならば当局者間の水面下・非公式接触を通じてでも現在の膠着状態を打開しなければならない。また、朴槿恵政権は発足後に民間レベルの南北交流をほとんど制限してきたが、北朝鮮のような閉鎖社会はむしろ先民後官の水面下の外交が適切なアプローチ法となりうる。民間団体が出口を開いておけば政府がこれを活用できる道が開かれる。当局者会合だけに固執するべきでないという意味だ。過去1年半にわたり続いた政府主導の南北関係の後に残ったものが果たして何なのかだけをみても計算は明らかだ。握手をしている間は片手でも縛っておくことができるものだ。
平壌(ピョンヤン)の状況は簡単ではない。私たちはそこまで認識できていないが私たちの手にはすでに少なくないカードが握られている。金剛山(クムガンサン)観光再開と制裁措置解除、経済的誘引策、対米・対中影響力に至るまで、北朝鮮の変化を誘導できる道は意外に多い。多様なカードを持ちながら脅しにばかり頼るのはプロのゲーム方式ではない。