エコカー覇権競争…アクセル踏む電気自動車、追撃する燃料電池車

エコカー覇権競争…アクセル踏む電気自動車、追撃する燃料電池車

2017年11月15日16時09分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
comment
0
share
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixi
写真拡大
現代車が来年市販する次世代燃料電池自動車。(写真=現代車)
  世界各国の排ガス規制でエコカーが自動車市場で浮上し、未来エコカー覇権を握るための電気自動車と水素燃料電池自動車(以下、水素車)の競争が激しくなっている。ともにエコカーに分類されるが、長・短所が明確であるうえ各社が主力とする車種も異なり、神経戦も激しい。

  現在、主導権は電気自動車が握っている。排ガスがないうえ騒音も少なく、変速機のような動力変換装置も必要ない。価格も内燃機関で動く自動車と競争できるほど下がり、充電インフラもある程度は構築された。特に電気自動車は今まで力が不足するという評価を受けてきたが、技術レベルの向上で加速力とスピードも高まった。各国政府の補助金支給で普及も進んでいる。当分は「電気自動車=エコカー」というパラダイムが維持されるという予想が多い理由だ。

  電気自動車に注力する企業には米テスラ、中国BYD、独ダイムラーなどが挙げられる。テスラは昨年だけでも「モデルS」「モデルX」を世界で7万6000台以上販売した。GMはシボレー「ボルト」、ジャガーは中型SUV「I-PACE」、日産は「リーフ」新モデルなどの電気自動車を出した。韓国でも今年1-10月の電気自動車販売台数が計1万75台と、年間基準で初めて1万台を超えた。電気自動車は水素車と部品の7割が重なるが、水素車に対するこれら企業の評価は厳しい。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「水素車は愚かな選択」と語った。

  しかし電気自動車は急速充電で20-30分、家庭で充電する場合(低速)は4時間以上かかるという短所がある。一度の充電で走行できる距離は200-300キロ台だ。バッテリー開発の技術的限界のため発展に制限があるという分析が出ている。

  水素車はこうした弱点をカバーして「逆転」を狙っている。実際、水素車は電気自動車より価格が高いうえ、技術発展も遅く、大きな関心を引くことができなかった。しかし充填時間が5分前後と短く、1回の充填で400キロ以上を走行できる長所が浮き彫りになり、関心が高まっている。水素車は車両内の高圧タンクの水素と空気中の酸素を反応させて作った電気でモーターを回して動く。排ガスがなく純粋な水だけを排出するため「究極のエコカー」と呼ばれる。

  水素車開発に積極的な企業には現代車、トヨタ、ホンダなどが挙げられる。現代車は2013年に世界で初めて「ツーソンix」水素車の量産に成功した。トヨタは「ミライ」、ホンダは「クラリティ」を出した。BMW、日産、GM、フォードなども2020年に水素車を量産する計画だ。

  しかし水素車は製造コストが高いという致命的な短所がある。燃料電池に入る50-70グラムの白金のためだ。他の部分は技術の向上で価格を引き下げることができるが、燃料電池の価格を下げるのは容易でない。インフラ構築も困難だ。充填施設の設置費用が1カ所あたり数十億ウォンもかかる。

  2つの車種はしばらくライバル関係でなくパートナー関係で発展するというのが専門家らの見方だ。現在、内燃機関の自動車がガソリン・ディーゼルエンジンに市場が分かれているのと似ている。キム・ピルス大林大自動車科教授は「5-10年後の事業として見れば電気自動車だが、最後の段階は水素車」とし「電気自動車と水素車の一つを選択する問題ではなく、しばらくは共存しながら発展するだろう」と予想した。

  さらにエコカーは結局、政府の施策と連動するため、どんな車種が未来の主流になるかは現在のところ予想するのが容易でない。これに対し韓国の現代・起亜車はツートラック戦略を駆使している。競合他社より技術開発は遅れたが、最近アイオニックなどの電気自動車を出すなど歩幅を広げている。ただ、長期的には水素車側に競争力があるとみて水素車に重心を置いている。2005年に水素車開発に成功した現代車は技術レベルで世界トップ圏と評価されている。まだ市場が成長していないだけに、先に市場を確保すれば主導権を握ることができると判断している。

  今は政府の支援を受けるトヨタがトップだが、現代車は今年8月、一度の充填で580キロ走行できる第2世代水素車を出し、逆転を狙っている。寒いところで動かない技術的な問題も解決した。現代車はこの水素車を来年初め、国内をはじめ世界市場に出す。コンセプトモデルではあるがトヨタが先月の東京モーターショーで一度の充填で1000キロ走行する水素車モデルを出し、今後、両社の競争はさらに激しくなる見込みだ。

  13日(現地時間)に独ボンで開かれた「第2次水素委員会総会」では現代車のヤン・ウンチョル副会長が共同会長に選出されたりもした。この日発表されたマッキンゼーの分析によると、2050年の輸送分野は水素エネルギー全体の28%を使用すると予想される。水素車が全車級に拡大し、乗用車4億台、トラック1500-2000万台、バス500万台が道路を走ると予測された。

  水素車の本格的な普及は、水素ステーションのような基盤施設がどれほど早期に整備されるかにかかっている。現在、国内に設置された水素ステーションは10カ所にすぎず、水素車の大衆化には結びつかない。韓国政府は2020年までに水素ステーションを100カ所に増やす計画だ。日本は2025年に1000カ所、2030年に3000カ所の水素ステーションを設置する方針だ。ドイツも高速道路90キロごとに水素ステーションを設置するなどの支援を進めている。

  韓国投資証券のキム・ジンウ研究員は「米国およびドイツの企業も水素車開発に参加していて、企業の量産型モデルが発売される2020年以降、本格的な水素車競争が始まる見込み」と述べた。
【今日の感想】この記事を読んで・・・
興味深い
悲しい
すっきり
腹立つ
役に立つ

今日のイチオシ記事