<ノーベル賞の話>2014年物理学賞、中村修二(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.12.13 09:23
ある国会議員がろうそくの火は風が吹けば消えると話すと、すぐに市民はLEDろうそくの明かりで対応し最高権力を断罪した。LEDは「発光ダイオード」の略語で、正極と負極を近付けて電気を流して発光させる装置だ。簡単に言えばわざと電気のショートを誘導し光らせるものだ。LEDは白熱灯や蛍光灯に比べ電気で光を作り出す効率が極めて高く、寿命も長く、毒性物質を出さない環境親和的な道具だ。
光には3つの原色があるが、そのうち赤色と緑色の光を作る基礎技術はすでに1950年代に開発された。問題は青色を作るのがとても難しかったことだ。実用範囲が最も広い光である白色は単色ではなく3つの原色光が混合されたものだ。したがって青色を作ることがLED商用化で最も重要な限界技術だった。2014年にノーベル物理学賞はこの青色LEDの基礎技術開発と実用化に寄与した日本人3人に贈られた。その中でも特に中村修二氏はわれわれに多くの示唆点を提供する。
韓国で一般の人たちはもちろん科学者さえもノーベル賞に対する固定概念を持っている。ノーベル賞の成果は基礎科学、高尚な学術研究、エリート科学者から出てくるという考えだ。中村氏はこうした偏見を完全に打ち破る。彼は1978年に徳島大学を出て日本の中小企業の日亜化学工業に入ったがノーベル賞を受けることになった成果はここで働いて14年ぶりに作ったものだ。当時彼は39歳で修士学位所持者だった。中村氏はこの技術開発1年後に博士学位を取ったがいわゆる「論文博士」だった。日本では大学に通わなくても論文を何本か出せば博士学位を取れる制度がありこれを活用したのだ。韓国でならC級研究者として後ろ指を差されただろう。