韓国芸能にも広がった“金正恩嫌悪”…罵詈雑言と挑発が招いた自縄自縛(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.11.15 15:58
再び微妙な反転が起きたのは金正恩が後継者としてその座を確立した2010年ごろだ。好戦的な26歳の青年指導者と世襲体制に対する拒否感と批判が大きくなる復古局面が近づいてきたのだ。その年の3月、北朝鮮軍の魚雷攻撃による韓国哨戒艦「天安」爆沈挑発があり、同年11月には北朝鮮が延坪島(ヨンピョンド)に砲撃を加えるという前代未聞の事態が決定的な影響を及ぼした。翌年、総編チャネルで脱北女性を出演させて北朝鮮の暴圧的統治と金正恩体制を批判する番組が制作された。「脱北美女を全面に出した扇情性」を指摘する見方もあったが、類似のフォーマットが他でも放送された。地上波と総編で脱北者出身専門家の登場が目に見えて増え、北朝鮮の批判レベルが高まったのもこのころだ。
ことしに入って核実験と相次ぐミサイル挑発で韓半島(朝鮮半島)の緊張を最高潮に高めたことから、金正恩に対する批判はピークに達した。このような雰囲気はSNSとYouTubeにそのまま反映されている。「金正恩(Kimjongun)」で検索すると、好戦性を皮肉ったり嘲笑したりする映像が圧倒的に多い。漫画やキャラクターを通じて伝達力を高めた映像物も目立つ。英語圏だけでなく中国やロシア、中東地域まで批判的コンテンツが広がっていく様相だ。韓流の風に乗って平壌や地方都市に上陸することにでもなれば、北朝鮮当局としては困ったことになる。北朝鮮書き込み部隊が朝鮮中央テレビの金正恩称賛映像などを一生懸命アップロードして水増しを試みてはいるものの、力不足のようだ。