サムスン電子が独自開発した人工知能（ＡＩ）の「Ｂｉｘｂｙ」は期待以上の性能を発揮した。スマートフォンの左側に新たに設置した専用ボタンを押し「きょう撮った写真を見せて」と話すとすぐにきょうの日付でアップロードされた写真数枚が画面を碁盤のように分割して見せてくれる。「１７枚の写真検索完了」というメッセージも自動で表示される。「きょう」「写真」、「見せて」という単語をすべて理解したのだ。

続けて「ニューヨークのアルバムを作って移動して」と話すとすぐ「少しお待ち下さい」「新しいアルバムを作って移動しました」というメッセージが相次いで現れる。ギャラリーに入ってみると本当に「ニューヨーク」のフォルダが作られており、きょう撮った写真１７枚がすべて移動している。手で数十回のタッチが必要だった動作をＢｉｘｂｙが一言で代替した。

現在はサムスン電子が直接開発したアプリだけでＢｉｘｂｙが駆動できるが今後開発者に開発キットを公開すればアプリとアプリを連結して使う機能も可能になる。「カカオトークでケーキの写真を探して１１番街で注文して」と命令すればＢｉｘｂｙがカカオトーク、ギャラリー、１１番街のアプリを順に駆動して注文までできるようになる。

Ｂｉｘｂｙは音声のほかイメージ認識機能も備えた。写真機能を作動させるとすぐ画面左側に瞳形のアイコンが表示される。Ｂｉｘｂｙの「ビジョン」機能だ。この機能を実行した後テーブルの上に置かれた財布を撮影すると、写真下段に「ショッピング」と「イメージ」のボタンが表示される。ショッピングをタッチするとすぐアマゾンで売られているこの製品と類似した形の財布の写真と製品情報がリストにずらりと表示されすぐにショッピングできるようになった。

サムスン電子のイ・ヨンヒ副社長（マーケティング担当）は、「ライト兄弟の初飛行は３０メートルにとどまったが偉大な技術進歩を成し遂げたように、今後外部開発者の参加が増えれば速いスピードで進化するだろう」と話した。