朴槿恵（パク・クネ）政権が２年目を迎えて出した「経済革新３カ年計画」の核心を挙げろと言うならば、規制緩和と内需おこしだ。枯れていく経済に活気を吹き込むとして内需おこしを核心課題にして実現方法に規制緩和を選んだのだが、方向性は正しいが現実は本当にもどかしい。頭と腕と脚が別々に動いている場合が多いためだ。規制緩和と内需おこし、この２つがなぜ現場ではうまくいかないのか端的に見せる例が、最近急激に増加している海外でのクレジットカード使用だ。

韓国銀行が２月２８日に発表した統計によれば昨年末、韓国内の居住者が外国で使ったクレジットカードの金額が１０５億ドルと初めて１００億ドルを超えた。最も大きな要因は海外旅行客が増えたことだ。海外旅行客が増えれば内需の活性化にはブレーキがかかる。国内で消費しても充分なものを外国に追い出すことはなかったのか、しっかりと見直してみるべきだ。例えばゴルフに特別消費税をかけて、公務員にゴルフ禁止令の鎖をはめて、週末ゴルファーを海外に送り出すといった話だ。いる人に金を使いにくくさせておいて内需を生かそうというスローガンだけいくら叫んでみても効果があるわけがない。

海外でのカード使用急増のもう１つの理由もしっかり読みとくべきだ。まさに海外のオンラインショッピングモールを利用するいわゆる「海外直購入族」の増加だ。仁川（インチョン）空港税関によれば、昨年の直購入貨物は１０００万件を越えた。クレジットカード業界は昨年の海外直購入の市場規模を約１兆ウォン（約９００億円）と推算した。４年前に比べて１０倍近く増えたのだ。

海外からの直購入もやはり、国内で使うお金を外国で使うことだ。これを減らすには独占輸入業者の横暴から防がなければならない。アイスクリームから名品時計まで米国・日本などに比べて何倍ずつ高く売る独占輸入業者の価格上乗せはすでに度を超した状態だ。これを正すためには並行輸入活性化などを通した供給者間の競争誘導が必要だ。並行輸入は、国内の独占販売権を持つ輸入業者でなくても同じ物品を持ち込んで売ることをいう。政府は２５日「通関認証制」などを通して並行輸入を遮る規制を緩和することにしたが、事後保証サービス（ＡＳ）や払い戻し規定の整備など解決すべき課題がまだたくさん残っている。

内需おこしに成功させるには、中国人観光客など外国人の国内消費を画期的に増やさなければならない。飛行機でソウルから３時間の距離にある大都市でさえ４億人が暮らしている。彼らをオン・オフライン問わず引き込まなければならない。だが外国の居住者が韓国内のオンラインショッピングモールで商品を買う「逆購入」はまだ足踏み段階だ。３０万ウォン以上購入した時は公認証明書を必然的に使用しなければならないという国内オンラインの取引規制が「逆購入」の購入代行事業の障害物になっているためだ。これでは内需を生かすどころか海外に出て行くお金を防ぐのも手にあまる状態だ。