国全体が胚性幹細胞(ES細胞)の真偽論議で混乱に陥っている。 15日、盧聖一(ノ・ソンイル)ミズメディ病院理事長が「現在まで幹細胞はない」と主張し、韓国社会は心理的恐慌状態を迎えた。 黄禹錫(ファン・ウソック)教授は16日の記者会見で、「ES細胞は確かに作った」とし、「このES細胞がミズメディのものと入れ替わった可能性について司法当局に捜査を要請する」と反論した。 直ちに盧理事長は「黄教授が虚偽論文の責任を転嫁している」とし、「操作は黄教授研究室で行われた」と述べた。 今はどちらの言葉が正しいか判断するのは難しい状況だ。
この2日間、誰もが惨めで空しい心情だった。 呆然としながら核心研究者らの真実攻防を見守っている。 ES細胞が汚染されたり、入れ替わったという疑惑などは重要でない。 責任が誰にあるかも副次的な問題だ。 否認できない事実は、これほど自慢してきたES細胞が現在存在しないということだ。 サイエンス誌に掲載された2005年5月の論文自体も決定的な瑕疵があるということが判明した。 韓国科学界はすでに世界科学史に取り返しのつかない汚点を残した。
黄教授は「ES細胞を作ることができる源泉技術があり、これを再現するまで時間をくれ」と話した。 白衣従軍(一兵卒として戦地に赴くこと)しながら名誉を回復すると誓った。 われわれは約束通り、彼が早期にES細胞を再現してくれることを期待する。 衝撃を受けた国民の心情を考えても、そうすることを希望する。