【社説】米最高裁長官の教訓=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2018.11.24 14:05
フランスの政治学者アレクシ・ド・トクビルは米国を旅行して1840年に出した著書『米国の民主主義』で、米国の平和と繁栄、そして存在そのものが7人で構成された連邦最高裁の手にかかっていると主張した。独立した司法府の役割が米国民主主義の砦であることを強調したのだ。
連邦最高裁の位置づけは最近のニュースでも確認される。トランプ大統領が中南米移民者の亡命申請を禁止する行政命令の効力を一時中止させた判事を「オバマ判事」と非難すると、ジョン・ロバーツ最高裁長官は21日、異例にも声明を出し、大統領を公開的に批判した。「我々には『オバマ判事』『トランプ判事』『ブッシュ判事』 『クリントン判事』などいない。自身の前に立つすべての人に公平に最善を尽くす献身的な判事という非凡な集団だけが存在する」という内容だった。ロバーツ長官は共和党のジョージ・W・ブッシュ大統領が任命した保守派だ。昨年ムスリムの入国を防ぐ反移民行政命令に対する最高裁の判決ではトランプ大統領側に軍配を上げた。それでも判事と司法府を攻撃する大統領を座視しなかった。「法の下での平等」(Equal Justice Under Law)という文字を建物の正面に刻んだ連邦最高裁の権威と独立性を改めて実感する。