「ブルドーザー経営者」として知られる具本俊（ク・ボンジュン）ＬＧ電子副会長（６４）が１日、代表取締役就任から５年を迎えた。ＬＧ電子は具副会長が「救援投手」として登場した２０１０年のようにスマートフォン事業の不振で危機を迎えている。ちょうどＬＧ電子はこの日、「スーパープレミアムフォン」として年初から世間の期待を集めたＬＧ　Ｖ１０をソウルのセビッソムとニューヨークで同時に公開した。

８日の国内正式発売を控え、ＬＧ電子のスマートフォン事業を担当する趙俊鎬（チョ・ジュンホ）ＭＣ事業本部長（社長）がセビッソムの行事場所でマイクを握った。いつごろ実績が改善するのかという取材陣の質問に対し、趙本部長は静かな声でこう答えた。「（スマートフォン）販売量は事業を担当する者の立場では重要だが、それよりはるかに重要なのは顧客にどんな価値を与え（顧客に）認められるかということ。ＬＧフォンに対するファンが増えることが重要だ」。

５年前のようにまた「基本」に戻ったＬＧ電子がこの日出したＶ１０は具副会長がこだわりを持って選択したプレミアム戦略の代表走者だ。キム・ジョンフンＬＧ電子専務は変化したプレミアム戦略に関し「今年上半期にＧシリーズ、下半期にＶシリーズを出した」とし「Ｇシリーズは自動車に例えればセダン、Ｖシリーズは躍動的なＳＵＶ」と説明した。「Ｇシリーズが幅広い顧客層をターゲットとして携帯性と使用性を備えたとすれば、Ｖシリーズは冒険を追求するマルチメディアユーザーをターゲットとする」という言葉も付け加えた。製品の名前に冒険を意味する英単語アドベンチャー（ａｄｖｅｎｔｕｒｅ）からＶを、１０点満点の１０点を意味する数字１０を入れた理由もここにあった。

マルチメディアに特化した顧客をファンとして引き込むためにＬＧ電子が選択したのは世界初の前面デュアルカメラ。背面１６００万画素カメラを搭載したうえ、広角１２０度デュアルカメラで最大８人の大人が自撮り棒なしに写真を撮影できる。また、ビデオ専門家モードを適用し、望みのシャッタースピード（１／６０００秒－１／３０秒）とホワイトバランス（５３段階）、感度（１７段階）を調節できるようにした。ブレ防止チップを装着し、ビデオカメラ並みの安定した映像撮影もできる。さらにクイックビデオエディター機能を加えて撮影した映像を簡単に編集してソーシャルネットワークサービス（ＳＮＳ）で共有できるようにした。３つの高感度マイクを内蔵し、撮影と同時に音響確認も可能だ。音楽鑑賞機能は大きく高めた。従来１５段階だった音量調節を７５段階にまで増やし、音響機器分析を基盤に専門家用ヘッドホンでも固有の性能を十分に出せるようにした。ＬＧ電子は実際に変わった音響比較のため、ライバルであるサムスン電子・ソニー・アップルの製品とＶ１０を並べて比較試演もした。


ＬＧ電子副会長のこだわり…「Ｖ１０」にプレミアム満載（２）