ケリー米国務長官が１５日、張成沢を処刑した金正恩（キム・ジョンウン）第１書記について「無慈悲で無分別だ」とし、イラクの独裁者サダム・フセインを思い出させると述べた。これは、張成沢粛清説後に米政府高官が出した最も具体的な反応であり、「事実なら」という前提条件を付けない最初の立場表明でもある。

ベトナムを訪問中のケリー長官はこの日、米ＡＢＣ放送「ディス・ウィーク」のインタビューで、張成沢処刑が持つ意味を尋ねる質問に対し、「我々は今回の事態を通じて、まず、金正恩がどれほど無慈悲で無分別な人物かを知ることができる」と答えた。

また、張成沢処刑が金正恩政権で最初の粛清ではないという事実に言及しながら、「粛清の規模を見ると、北朝鮮政権内部にどれほど大きな不安定性が存在するかが分かる。潜在的な競争者はすべて排除しようとするだろう」と述べた。

続いて「自分の叔父をこのように公開的な会議の席から連れ出す姿を見て、サダム・フセインが同じ行動をするビデオを思い出した」とし「その画面でも数人が連行され、座っている人たちは汗をだらだらと流していた」と述べた。フセインは１９７９年に大統領に就任した後、党会議で背信者名簿を発表し、数百人を粛清した。

ケリー長官は「これはまさに金正恩の残酷で無慈悲な独裁政権、彼の不安感の本質」とし「金正恩のような者が潜在的に核兵器を手に入れるのは、なおさら容認できない」と強調した。また「北朝鮮の非核化のために米国と中国、ロシア、日本、韓国が同じ立場で、早急に結束する必要がある」と力説した。