「陪審員は証拠に基づいて評決しなければなりません」（裁判官）。

「陪審員は裁判所が正しい判決を下せるように手助けしてほしい」（弁護士）。

２６日午後１時、ソウル盤浦洞（バンポドン）ＪＷマリオットホテルのグランドボールルーム。 この日開かれた米国模擬裁判の試演行事で、主人公は裁判官でも弁護士でもなく、陪審員だった。 米最大企業訴訟専門ローファーム「クイン・エマニュエル・アークハート・サリバン」と西江（ソガン）大が共同主催したこの日の行事には、ＳＫ・ＬＧ・大韓航空など韓国企業の社内弁護士とキム＆チャン、律村（ユルチョン）などローファーム関係者、ロースクール在学生など約３００人が集まった。

この日の裁判では企業間の独占契約に関する訴訟を扱った。 英国ゲーム流通会社クレンブルック（原告）が「米国ゲーム製造会社インテレックス（被告）が独占販売権を与えるという契約を破り、新製品をドイツのライバル会社を通じて流通させた」として訴訟を起こしたのだ。

裁判で最も重要な役割をしたのは１６人の陪審員だった。 弁護士は証人に質問を投じる間、終始、陪審員に目を向けた。 裁判官は「質問をもう少し明確にしてください」「あと１分だけ時間を与えます」と進行を助けるにとどまった。 ３時間にわたる攻防が終わると、裁判官は争点を整理した。 終始メモをしていた陪審員は約３０分間の討論の末、原告勝訴評決を下した。 裁判官は評決に基づいて判決した。 ワン・サンハン西江大法学専門大学院教授（４９）は「米国の訴訟で陪審員の役割がどれほど重要かを確認できる機会だった」と述べた。

この日、裁判官の役割をしたクイン・エマニュエルのジョン・クイン代表（６０）は「韓国企業は陪審裁判システムに慣れていないため米国での訴訟で苦戦するケースが多い」とし「サムスン電子とアップルの特許訴訟で見られるように、今後グローバル訴訟が増えることに対応し、陪審裁判制度の準備を徹底的にしなければならない」と述べた。

◇クイン・エマニュエル・アークハート・サリバン＝ジョン・クイン氏、エリック・エマニュエル氏ら４人の弁護士が１９８６年に米ロサンゼルスに設立した企業訴訟専門ローファーム。 現在６５０人の弁護士が活動している。 グーグル・クアルコム・マイクロンをはじめとするグローバル企業の訴訟を代理した。 現在、サムスン電子・アップル特許訴訟でサムスンを代理している。 約１５００件の訴訟のうち１３７１件で勝訴（勝訴率９２％）し，数回にわたり米国最高のローファームに選ばれている。