【時論】THAAD議論「非決定の決定」で乗り越えよう=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.04.23 13:49
THAAD配置は少なくとも中国の日本と台湾に対する軍事的脅威を弱める効果はある。東アジアで米中間の軍事バランスは明らかに傾くことになる。中国のいわゆる「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略に正面から脅威となる戦略的資産がまさにTHAAD配置だ。相互確証破壊(MAD)能力を損傷される中国としてはさらに軍備競争に進むことになり、THAADが配置されている韓半島を対象に軍事戦略を立てるほかはない。台湾海峡に問題が発生した時に韓国がぞっとする想像をしなければならない理由だ。もしもを想像したくはないが、冷厳な国際情勢は決して韓国の希望的な期待だけでは進まない。
慎重な悩みと複雑な計算をしなければならない。事実韓国は2006年に在韓米軍の戦略的柔軟性に関する韓米間合意を通じ同様の経験をしたことがある。韓国は在韓米軍が北朝鮮の南への侵略を抑止する据え置き軍隊としてだけいることを望む。在韓米軍が台湾問題など北東アジアの紛争地域に迅速機動軍として活用されることを望まない。戦略的柔軟性を無制限に許容する場合、韓国は在韓米軍のために望まない戦争に巻き込まれかねない。結局韓米両国は韓国が米国の戦略的柔軟性を尊重するものの米国も韓国民の意志と関係なく韓国が北東アジア地域紛争に介入しないという韓国の立場を尊重する方式で合意した。戦略的柔軟性は認めるが米国が望む北東アジア機動軍としての戦略的柔軟性には事実上合意していないわけだ。「同意するが事実上同意しない」という外交的知恵を発揮したのだ。