【グローバルフォーカス】平昌五輪は韓国にどのような意味なのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.25 10:58
韓国は来年2月に開幕する2018冬季五輪の主催国だ。1988年のソウル五輪から20年ぶりだ。五輪という国際的なイベントは単純にスポーツ行事にとどまるのではない。五輪はたびたび政治と民族主義を屈折させるプリズムの役割をする。特に韓国の場合がそうだ。1936年のベルリン五輪のマラソンで韓国に初めての金メダルをもたらした孫基禎(ソン・キジョン、1912~2002)選手は授賞台に上がり日本の国歌である『君が代』を聞くほかなかった。彼が獲得した金メダルと南昇竜(ナム・スンリョン、1912~2001)選手が獲得した銅メダルは日本帝国に帰属した。民族主義的情熱に燃えた当時の韓国の新聞は孫基禎選手のユニフォームから日章旗を削除した写真を記事に載せた。
88年のソウル五輪は韓国が成し遂げた成果を万国に誇示するパーティ会場だった。9月17日から10月2日までの16日間に韓国は生まれ変わった民主主義と数十年にわたった努力で達成した経済成長の結実を力の限り見せた。だがソウル五輪は韓国の人々の自負心を表象するのにとどまらなかった。地政学的な含意がある行事でもあった。冷戦の渦中で行われた80年のモスクワ五輪と84年のロサンゼルス五輪はボイコット事態により五輪精神が大きく毀損された。80年に当時のカーター米大統領は米国がモスクワ五輪に参加しないと発表した。ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議するためだった。4年後にソ連は84年のロサンゼルス五輪をボイコットすることで報復した。