この当局者は「今回の事件は中国の国家利益、さらに国家イメージに決して役立たない」とし「納得できるほどの対策が出てこなければ、西海（ソヘ、黄海）上の衝突は激しくなるしかない」と述べた。韓国海洋警察が中国漁船取り締まりのために武装を強化し、強力な法執行をすれば、西海上の衝突は避けられないということだ。さらに「今月末に予定された朴錫煥（パク・ソクファン）外交部第１次官と長志軍・中国外務省アジア担当副部長の戦略対話でも中国側の対策を強く要求する」と述べた。

しかし外交部は今回の事件が韓中関係全般に及ぼす悪影響は警戒した。趙炳ジェ（チョ・ビョンジェ）外交部報道官は　「来年の韓中修交２０周年行事にも影響を及ぼすのでは」という質問に対し、「今は中国の違法操業問題を解決するのに集中し、来年の２０周年行事をこの問題に連結させる必要はない」と答えた。

これに先立ち、李明博大統領は国務会議で、「特別予算を組んででも違法操業を取り締まる海洋警察の装備と人員を補強し、不祥事が再発しないように強力な対策を実質的に用意するべきだ」と指示した。パク・ジョンハ青瓦台（チョンワデ、大統領府）報道官は「‘実質的’対策というのは、外交的なことは外交的に、国内のことは国内で、海洋警察自体の問題は海洋警察で、実質的に対策を用意しろという意味」と説明した。汎政府レベルの対処をするという意味だ。

総理室も違法操業漁船に対する処罰対策を発表した。任鍾龍（イム・ジョンリョン）国務総理室長は「海洋警察の装備と人材を補強し、取り締まりの実効性を強化することにした」とし「必要な財源は予算の転用などを通して迅速に推進する方針」と述べた。

一方、中国外務省の劉為民報道官はこの日午後、「不幸な事件が発生した」とし「今回の事件で韓国海洋警察が亡くなられたことに遺憾の意を表す」と伝えた。また「中国は韓国と積極的に協力し、一日も早く今回の事件を妥当な方法で解決していくことを希望する」と付け加えた。


＜中国の違法操業＞韓国政府、中国船を簡単に釈放しない（１）