壬辰倭乱の時に奴隷として売られた妓生の人生を追跡
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.29 14:40
「ファニャン女(敵軍に体を汚された女)」から「セニョリータ(お嬢さん)」に呼び名は変わったが、敗戦した国の女が耐えなければならなかったつらい一生は変わらない。丙子の乱を舞台にした歴史小説『ファニャン女』(2013年)を発表して朝鮮女性の恥辱と痛みを暴いた小説家のユ・ハリョン(55)が4年ぶりに壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の時に奴隷として売られた妓生が主人公の長編小説『セニョリータコリア』で帰ってきた。
しらみつぶしに史料をひっくり返して見つけた一件の朝鮮捕虜女性についての学界報告を手に、日本の肥前名護屋からマカオ、インド・ゴアを経てポルトガル・リスボンまで遠い異国の地を飛び回った。
「記録と文字は捕虜や奴隷のことではなく、王と官吏のことでした。敵と対立しながら生死をさまよう奴隷になった捕虜や今にも倒れそうな義兵は筆をもたずに生から死へと渡っていきました。筆が真理を語るには、彼らの位置に碇を下ろすべきだと思いました」