日常生活とスポーツ分野もＩｏＴをはじめとする各種ＩＣＴ技術が結合して進化している。フランスのテニスラケット・メーカーであるバボラはグリップの中にセンサーが内蔵されている「バボラプレー」をＭＷＣで展示した。サーブの速度や強度、ボールが到達した位置や運動量などを測定してスマートフォンにリアルタイムで表示し、運動の結果を知人と比較するソーシャル機能も搭載している。国内スタートアップのタングラムは、先日ソーシャルファンディング「キックスターター」に公開したスマートロープ（縄跳び）をＭＷＣで展示して大きな関心を集めた。縄を越える時、ジャンプした回数情報をＬＥＤ灯で空中に表示し、ジャンプ回数と消耗カロリーをスマートウォッチに伝送する機器だ。

路上自動販売機もさらにスマートになった。通信装備企業ジャスパーはセンサーが内蔵された自動販売機を展示場で披露した。陳列台に内蔵されたセンサーが在庫情報を自動収集して、いつ在庫がなくなるのかを分析してくれる。

世界的なＦｉｎＴｅｃｈ（フィンテック）のブームはＭＷＣでも確認することができた。ビザカードは運転途中に音声でピザハットに注文してその場で決済までできる場面を実演した。また、ＱＲコードで価格情報を読み込んでスマートフォンで決済するソリューションもリリースした。マスターカードは「Ｑｋｒ」というアプリを使って加盟店の食堂でカードを店員に渡さなくてもスマートウォッチで４回タップするだけで容易に決済できるサービスを公開した。

基調演説に参加したシティグループのデジタル戦略事業担当者は「今やＭＷＣはモバイル産業イベントでなく、デジタル・テクノロジーイベントとなった」とし「モバイルは金融サービスにとって新たなプラットホームであり機会になるだろう」と話した。

これ以外にも今回のＭＷＣでは展示ブースのあちこちでヘッド・マウント・ディスプレイ（ＨＭＤ）を使って頭を動かしている観覧客が多かった。企業がバーチャル・リアリティ（ＶＲ）機器を通じて革新的なサービスが使われた未来像を垣間見せるような多くのプログラムを公開した。サムスン・ギアＶＲとオキュラスリフトなどバーチャルリアリティ機器を使えば、ノキアの位置基盤通信サービスでニューヨーク中心部を歩いているかのような体験ができ、ＡＴ＆Ｔがアウディと準備しているコネクトカーの機能体験も試すことができる。


＜ＭＷＣ＞４日間のイベント閉幕…モノのインターネットが席巻（１）