【取材日記】鎖を付けたまま飛び出して創業しろという韓国政府

【取材日記】鎖を付けたまま飛び出して創業しろという韓国政府

2017年03月29日13時04分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  未来創造科学部が29日に「科学技術基盤創業重点大学」のモデル事業推進を発表した。今月末から3つの大学を「創業重点大学」に選定し、大学別に3億~7億ウォンを支援し、来年からはこれを大幅に拡大する。キャンパスに第4次産業革命に向けた創業文化の花を咲かせるという計画だ。

  未来創造科学部が夢見るのは米スタンフォード大学だ。出身者が創業したグーグルやテスラのような会社の総売り上げは2兆7000億ドルに達するという大学だ。科学技術基盤創業重点大学はこれまでの創業アイテムが単純アイデアやスマートフォンアプリケーションに集中し、創業ではなく「創業ごっこ」にとどまるケースが多かったことに対する反省だ。もっともな話だ。だが政府が創業重点大学を指定し予算を支援するからと判事・検事や公務員になりたがる大学生がいっぱいの韓国の大学がスタンフォード大学に変身することができるだろうか。

  現政権の創業政策を見れば「足首に鎖をはめて飛び出せ」という表現が思い浮かぶ。未来創造科学部の努力を低評価するのではない。だが創業を妨げる他の官庁発の鎖はそのままにしてニンジンだけ提示するのでもどかしい。

  中央日報は先月27日に「韓国の大学を第4次産業革命の前哨基地にしよう」というリセットコリア企画記事を通じ実行課題を提示した。そのうちの代表的な2種類が「代表理事連帯保証」と「ストックオプション規制」の廃止だ。代表理事連帯保証とは企業の代表理事が法人である会社の債務に無限責任を負うことをいう。このシステム下では会社が一度つぶれれば代表理事は全財産を失い信用不良者になるほかない。2013年の朴槿恵(パク・クネ)政権発足時から言われた問題だが、まだ変わっていない。昨年6月に「共に民主党」の金炳官(キム・ビョングァン)議員が代表理事連帯保証を禁止する法案を発議したが、国会常任委員会の敷居を超えられないまま眠っている。金議員は「金融委員会が反対しており通過は事実上困難」と打ち明けた。

  ストックオプションも同じだ。現行法によれば課税特例が適用されるベンチャー企業役員社員のストックオプション行使価額合計を3年間5億ウォン以下に制限している。スタンフォード大学の人材が薄給でもベンチャー企業に入社するのは成功すればストックオプションのおかげで一発逆転できるという希望のためだ。国民の党の呉世正(オ・セジョン)議員が先月発議した「ベンチャーストックオプション租税特例法改正案」は租税特例行使価額を1年間10億ウォンに上げるとしているが、この法案もやはり企画財政部の反対で常任委員会で昼寝中だ。韓国の英才の中にテスラの創業者イーロン・マスクより優れた才能を持つ学生がいないとは考えない。もしかしたら第4次産業革命を妨げる最大の障害物は手と足が別々に遊んでいる政府かも知れない。

  チェ・ジュンホ/産業部記者
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