サッカー韓国代表のシュティーリケ監督（６２、ドイツ）のニックネームは「ゴッティーリケ」だ。名前の前に神を意味する「Ｇｏｄ」を付けたものだ。２０１４年１０月に韓国サッカーの指揮棒を握ったシュティーリケ監督は翌年、韓国代表をアジアカップ準優勝、東アジアカップ優勝に導いた。この期間、Ａマッチの成績は１６勝１敗３分けと、勝率は８０％に達した。そのシュティーリケ号が揺れている。赴任から満２年を控えたシュティーリケ監督が大きな挑戦に直面しているのだ。

韓国は６日、国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）ランキング１０５位のシリアと２０１８ロシアワールドカップ（Ｗ杯）アジア最終予選第２戦を行い、無気力な競技の末、得点なく引き分けた。１日の第１戦で中国にホームで辛勝（３－２）したのに続き、またもファンを失望させた。ウズベキスタン（２勝）が組１位となり、イラン（１勝１分け）には得失点で下回り組３位にまで落ちた。

韓国代表の問題点は何か。専門家らはシュティーリケ監督の単調な用兵術を指摘した。安貞桓（アン・ジョンファン）ＭＢＣ解説委員（４０）は「シリアの密集守備と時間稼ぎは十分に予想できた。攻撃ルートをもっと多様に準備するべきだった」と述べた。２０１０年南アフリカＷ杯の監督として韓国代表を１６強に導いた許丁茂（ホ・ジョンム）プロサッカー連盟副総裁（６１）は「守備エリアで無用な横パスやバックパスがあまりにも多かった。セットピースもうまく活用できなかった」と指摘した。

１９９４年米国Ｗ杯で監督を務めたキム・ホ竜仁ＦＣ総監督は「シュティーリケ監督は４－２－３－１のフォーメーションにこだわる。最終予選の第１・２戦に１トップで出場した池東源（チ・ドンウォン、２５、アウクスブルク）は正統ストライカーではないため、体格が大きいシリアのＤＦを相手に２トップを活用する案もあった」と話した。ハン・ジュンヒＫＢＳ（韓国放送公社）解説委員（４６）も「シュティーリケ号の攻撃パターンは中央ＭＦの奇誠庸（キ・ソンヨン、２７、スウォンジーシティ）がサイドにつなぎ、孫興民（ソン・フンミン、２４、トッテナム）が突破した後、具滋哲（ク・ジャチョル、２７、アウクスブルク）らがゴールを決める形」とし「２年間、細部の戦術で大きな変化はない」と分析した。

選手団運営方式も指摘されている。シュティーリケ監督はエントリーを２３人で構成できるにもかかわらず２０人だけを選んだ。石鉉俊（ソク・ヒョンジュン、２５、トラブゾンスポル）は所属チーム適応のために抜け、孫興民は中国戦で活用した後、所属チームの要請で送り返した。「選手たちを配慮した」という説明だが、誤った判断であり慢心だった。後にＦＷ黄儀助（ファン・ウイジョ、２４、城南）を呼んだが、シリア戦ではジョーカーとして使えるカードがなく、２人だけを交代投入した。

シュティーリケ監督は熱心に国内プロサッカーＫリーグの競技場に足を運んだ。しかし代表メンバーはコンディションが良くない欧州組・中国組・中東組など海外組を中心に構成した。Ｋリーガーは李在成（イ・ジェソン、２４、全北）ら４人だけだった。

李天秀（イ・チョンス）ＪＴＢＣ解説委員（３５）は「シュティーリケ監督は体調がよいＫリーガーを重用する必要がある。欧州組も所属チームのポジション争いに勝ってコンディションを高めるべき」と話した。Ｋリーグで第３の全盛期を迎えているＦＷ朴主永（パク・チュヨン、３１、ソウル）や１９７センチの長身ＦＷ金信旭（キム・シンウク、２８、全北）を選んで選手構成を多様化することも代案となる。

選手団の体力管理も問題だ。ハン委員は「中国戦では後半２０分過ぎから選手の体力が大きく落ちた。シリア戦でも試合中に体力の問題が表れた」とし「カルロス・アルムア・コーチ（６７、スペイン）がフィジカルコーチを兼ねているが、選手の体力とコンディションを専門的に管理するフィジカルコーチの抜てきを考慮するのがよい」と助言した。

最終予選第３、４戦の相手のカタールとイランは遅延行為で悪名高い。安貞桓委員は「時間稼ぎをするサッカーはバスケットの作戦タイムのように流れを切る特徴がある。グラウンドでベテラン選手が審判に積極的に抗議し、攻撃の流れを継続できるように雰囲気を作る必要がある」と話した。