【社説】結局国民の手に届いた「バス大乱」の請求書=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.05.16 11:34
「大乱」寸前まで行ったバス事件が山場を越えた。地方自治体別に労使合意に成功したり、ストライキが見送られたりすることで市民が足止めされる最悪の事件は避けた。しかし、収拾過程で見せた政府の姿勢と能力は残念だった。勤労時間の短縮と暮らしの質向上という甘い果実を宣伝しただけで、政策による副作用と対策は知らんぶりだった。中央政府は地方自治体に料金の引き上げで解決するように責任を転嫁し、地方自治体は中央政府の支援を増やすことを求めて対抗した。自治体長は負担になる料金の引き上げの毒杯を先に手にするとして互いに神経戦を繰り広げた。
政府が選んだ解決法は料金の引き上げと準公営制の拡大だった。政府の要求により京畿道(キョンギド)は9月から市内バスと広域バス料金を200ウォンと400ウォン引き上げることにした。広域直行バス(Mバス)を含むすべての広域バスに対しては準公営制を推進することにした。政府は地方自治体所管業務であるバス運送事業に国費支援を模索したりもした。今回の事態は週52時間勤労制を導入しながら路線バスを特例業種から外した時から予想されていたことだった。世の中にただはないという極めて平凡な原理を冷遇したところ、国民の手に請求書を届けた。
料金引き上げと共に準公営制の拡大が提示されたが問題はこれだけではない。準公営制は民間の運輸業者と地方自治体が収入を共同管理して赤字が出れば財政で埋める制度だ。交通福祉の向上というメリットがあるが問題は資金だ。昨年、準公営制を採択した全国8市・道で支出された費用は1兆ウォンを上回った。2004年準公営制を導入したソウル市の場合、その間バス会社の赤字補填に3兆7000億ウォンを使った。料金の引き上げが4年連続で凍結し、最近の支援額も急激に増える傾向だ。朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が「ソウルは準公営制が確立されて料金を引き上げる必要がない」としたが、準公営制の費用も結局市民ポケットから出る資金だ。