【時視各角】全国民に対する死刑宣告=韓国

【時視各角】全国民に対する死刑宣告=韓国

2018年04月10日11時47分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  セウォル号がもう一度沈没している。今度ははるかに大きな船だ。大韓民国国民を全員乗せて粒子状物質という海に音もなく沈んでいる。国民は船に閉じ込められたまま4年前にセウォル号の中の生徒たちが聞いた声をそのまま聞いている。「じっとしてなさい」という声だ。「外出を控え、外出するならマスクを使え」。

  4年前のあの時のように気ぜわしいことではある。だが救助の手は伸びてこない。「外出後はきれいに洗え。水とビタミンCが豊富な果物と野菜を摂取しろ。換気と水ぶきなど室内の空気質の管理をしろ。廃棄物を焼却するなど大気汚染誘発行為を自制しろ」。政府が何をどうするという言葉はない。国民にただうまくやれという話だ。

  文在寅(ムン・ジェイン)大統領は大統領選挙当時、「きれいな空ときれいな空気」を約束した。彼の公約サイトで最も「いいね」が多かったのも粒子状物質対策だった。だが10カ月ぶりに出された対策はむしろ「お手上げ」というのがふさわしい言葉だ。道路に水をまくこと、公共機関車両2部制、大気排出事業所短縮運営など非常低減措置を全国に拡大実施するというのがすべてだった。粒子状物質のために移民を考えているというネットでの話題が2年間に10倍になった状況から出たのがそうだ。これも多く聞いた言葉ではないか。「これが国か?」

  それは方法ではない。粒子状物質とうまく過ごす方法は意味がない。そうするなら全国民に防毒マスクを1個ずつ配る方がましだ。画期的デザインを研究して防毒マスクファッションを流行させるのが国民の健康を守るのにむしろ助けになるだろう。いま私たちは目の前に近づいた危険に対抗するのに十分な努力もせず、ひたすら時間だけ流れているのだ。こうした放漫が続くならばそれは全国民に死刑宣告を下すのと変わらない。体が弱い順に、自助努力が少ない順に刑の執行時期が変わるだけだ。

  粒子状物質がすでに国家的災害になったのに何を迷っているのか。北朝鮮の核や改憲よりさらに重要なことがきょうも国民を殺害している粒子状物質の問題だ。冗談水準のインターネット請願は青瓦台(チョンワデ、大統領府)が直接担当し、こうした緊急な問題はなぜ脇役水準の長官らに押し付けるのかわからない。青瓦台が立ち上がり根本的な解決方法を探さなければならない。

  欧州の国のようにディーゼル車の生産を段階的に禁止させなければならない。交通分野の微小粒子状物質の半分以上を排出する建設装備と物流車両から優先的に電気自動車や水素自動車に変えていかなければならない。韓国がリードしている水素自動車や無線電気自動車技術だ。全力を挙げてこれを商用化しなければならない。火力発電もやはりなくしていかなければならない。原子力発電所に変えたり再生可能エネルギー技術など、より良い方法を探さなければならない。正確な汚染源分析と測定・取り締まりネットワークを構成するのは言うまでもない。

  また重要なのが中国発の粒子状物質だ。春節の爆竹の成分が韓国国内で検出された証拠を中国に提示し強く改善を要求しなければならない。必要ならば西海(ソヘ、黄海)沿岸に大型イオン化水噴射装置を設置し粒子状物質を除去する方法も研究しなければならない。夢ではない。こうした技術を商用化できるならば未来の収益源である世界の環境市場を韓国が主導できるだろう。

  もちろん容易なことでない。それでも手をこまねいていることはできない。「過去に対する敗北主義はミスだが未来に対する敗北主義は犯罪だ」。軍縮に対する寄与で1959年にノーベル平和賞を受賞した英国の政治家フィリップ・ノエル=ベーカーの言葉だ。行動せず言葉だけするのは敗北主義だ。そんな敗北主義で「2022年までに粒子状物質を30%減らす」という約束をどのように守れるのか。それは犯罪だ。韓半島というセウォル号がいまこの瞬間にも粒子状物質の中に沈んでいるためだ。

  イ・フンボン/論説委員
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