東京近郊に住む「兄さん」(37)はいつも彼女の「音夢たん」を連れて歩く。カラオケに行くときも、写真シール機で写真を撮るときも、彼は音夢たんを抱いていく。しかし彼は音夢たんと対話をすることはできない。音夢たんは兄さんが日本の漫画、「D.C.ダ・カーポ」に出てくる主人公を枕にプリントした人形にすぎないからだ。兄さんは食堂で枕を横に座らせて食事をする。彼は「音夢たんがいない人生は想像すらできない。自分が死んだら彼女を腕に抱いて埋めてほしい」と言うほどだ。こうした話はニューヨークタイムズが25日に報じた兄さんの最近の生活だ。
同紙によると、兄さんのように漫画の主人公と愛に落ちる「二次元萌え」が日本で社会問題になっている。日本政府は10年前から始まった「二次元萌え」に頭を痛めている。漫画により思春期から異性との交際に関心のない日本人が増えたためだ。日本政府の調査によると、30~34歳の日本人男女の4人に1人以上が性体験がないことがわかった。またこの年齢層の半分はまったく異性との交際をしたことがなかった。こうした現象は愛すらも金で売買する奇形的世相が影響を及ぼしたという分析が出ている。