【コラム】在韓米軍を低く評価するトランプ大統領

【コラム】在韓米軍を低く評価するトランプ大統領

2019年02月20日10時56分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  トランプ大統領が立派な交渉家であることは間違いない。ところが在韓米軍に対しては特に安値をつける。昨年のシンガポール米朝首脳会談の後、韓米合同演習について「費用がかかる」とし「在韓米軍を撤収したい」と公言したのがそうだ。韓国に向けて防衛費分担金を引き上げろと圧力を加えたことでは120%の効果を得たが、北朝鮮と中国を相手に非核化の圧力を加えるうえでは最も大きなカードを露出させてしまった。

  英語に「Do the math」という表現がある。「計算しなさい。確かめてみなさい。そうすれば分かる」。このような意味だ。在韓米軍について「Do the math」をしてみよう。トランプ大統領は「美しい(beautiful)」という言葉をよく使うが、米国の立場では在韓米軍は美しい。

  トランプ大統領は先週、「電話を2回ほどすると韓国は5億ドルを追加で出すことにした」と明らかにしたが、「アメリカファースト」を見せるには5億ドルよりも美しい数字がある。米国は「数回の交渉で韓国は80億ドル近く使った」ということができる。もちろんこれは過去の政権の功績であり、トランプ大統領としては使いたくない言葉かもしれないが、事実であることには違いない。海外米軍基地のうち最も最新式の平沢(ピョンテク)キャンプ・ハンフリーズを建設するのに韓国政府は8兆9000億ウォン(79億ドル)を投入した。この美しい平沢基地と他の米軍基地から約2万8000人の兵力を米国に撤収すれば、どこで生活させて訓練させるのだろうか。

  ヘリテージ財団アジア研究センターのエドウィン・フュルナー会長はこう話した。中央日報のインタビューで「例えば在韓米軍をケンタッキーに移すとしよう。そこにも費用がかかる」と語った。全世界のどこかにキャンプ・ハンフリーズのような美しい基地を建設する場合、費用どころか敷地の確保も難しい。いま地球上で地上軍を他国に送って政権を一挙に倒す能力と経験がある国は米国しかない。アフガニスタン、イラクに米軍が入って「レジームチェンジ」をした。北朝鮮が執拗に「韓半島(朝鮮半島)非核化」を要求する理由もここにある。米国の軍事的脅威に対応して核を開発したため、非核化は北朝鮮の非核化でなく在韓米軍まで含む韓半島非核化という論理だ。したがって米国が北朝鮮を相手にする時、最も脅威となり最も致命的なカードは外交(終戦宣言)・経済(制裁緩和)ではなく軍事だ。

  しかし軍事カードは経済・外交とは違って一度使えば後戻りができない「不可逆的措置」だ。制裁は一時的に緩和してもまた強化できる可逆的方法だ。しかし在韓米軍は撤収すればそれで終わりだ。在韓米軍が去った平沢にはマンションや商店が入り、二度と入ってくることができない。それでも米国がまた戻ってこようとすれば、中国が全力で阻止しようとするだろう。合同演習の一時中断はまだしも、非核化の入口で在韓米軍の撤収に言及したトランプ大統領は、在韓米軍が北朝鮮を相手にどれほど美しい交渉力を持っているかをあまりにも分かっていない。

  在韓米軍がもう一つ美しい理由は中国のためだ。トランプ政権はいま中国を相手に経済と安保の両面で圧力作戦を駆使している。南シナ海を手中に収めようとする中国を力で防ぐのは前任のオバマ政権に続いてトランプ政権も同じだ。今月11日、南シナ海のスプラトリー諸島(南沙諸島)沖を米イージス駆逐艦2隻がこれ見よがしに通過した。中国は南シナ海では領海化に乗り出し、東シナ海では日本との肉迫戦を辞さなかったが、韓半島一帯ではそれが容易でない。韓半島に米国の陸・海・空軍があるからだ。いざという時には米空母が西海(ソヘ、黄海)に進入することもある。在韓米軍は存在そのものが北東アジアで中国の軍事的膨張を防ぐ塹壕だ。

  トランプ大統領は在韓米軍を安く売り払うべきでない。在韓米軍を引き上げて在日米軍に任せる瞬間、韓国という同盟も消え、非核化を牽引する最終的な手段も消え、中国を牽制する橋頭堡も消える。Do the Math!

  チェ・ビョンゴン/国際外交安保チーム長
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