【中央時評】朴槿恵氏だけが知らない朴槿恵氏の運命(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.29 11:33
最近会った進歩陣営の主要人事も「朴槿恵拘束-重刑宣告」の立場だった。表面的には世論調査で70%が拘束を望み、「朴槿恵の検察」が朴槿恵氏を拘束させてこそ自身らの手に血を染めないということだ。しかし、本当の秘密は他にある。「われわれは誰よりも盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の自殺による破壊力をよく分かっている。もし朴槿恵氏が極端的な選択をしたり、テロに遭ったりすれば大変だ。盧武鉉元大統領も退任後、警護を受けていた途中に命を絶ち、この前の朴槿恵氏の間抜けた警護員は実弾が入った拳銃までなくしたというのではないか」。大統領選まで最大限政治的変数を減らすには拘束がより良いという計算がある。この進歩陣営の人事は大統領選挙を越えて来年の地方選挙、3年後の総選挙まで見据えている。「朴槿恵氏が親朴とTK〔大邱(テグ)・慶北(キョンブク)〕を政治的人質にしてずっと保守陣営を分裂させれば、それこそ花見劫(勝てば利益は大きく、負けても損は小さい囲碁の手)」といった。ややもすると朴槿恵氏は進歩陣営の「マリオネット」(糸で操る人形)になるかもしれない。
朴槿恵氏に残酷な歳月が近づいている。囚人服を着てヘアセットを下した悲劇的姿が同情心を誘発するかもしれない。親朴はもう一度、保守と進歩の対決に追い込みたいと思っているだろうが、そのような期待はしない方が良い。「国民的嫌われ者」で目をつけられた崔順実(チェ・スンシル)被告・チョン・ユラ氏が同じ法廷に登場すれば、同情心はあっという間に蒸発されることが明らかだ。ひょっとして裁判で無罪を期待すると?もし無罪になれば、憲法裁判所から攻撃を受けて国がひっくり返されるだろう。むしろ裁判所で1億ウォン(約999万円)以上の賄賂授受が認められれば、特定犯罪加重処罰法が適用されて懲役10年以上の実刑が言い渡される可能性がより大きい。もしかしたら予想よりはるかに長く刑務所に留まらなければならない可能性もある。
1年を振り返ってみれば、朴槿恵氏は鬱憤や後悔でたまらないだろう。昨年3月30日、総選挙で過半議席を獲得する見通しが出ていた中で米日中首脳会議のために気持ち良くワシントンに向かった。ちょうど1年後である明日、朴槿恵氏は令状実質審査を受けに裁判官の前に立たなければならない。だが、こうした時こそ確証偏向から抜け出して聞きたくない話にも耳を傾けなければならない。青瓦台(チョンワデ、大統領府)で太極旗応戦集会を応援し、三成洞(サムソンドン)私邸に到着して親朴に囲まれ「弾劾不服」を示唆したことは大きな敗着だった。政治を続けたいという欲に見えるほかはない。前職大統領はたいてい政界から潔く引退するのが伝統だった。