【社説】記者会見で確認された文大統領の現実的な対北朝鮮認識
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.01.11 15:35
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が10日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)で行った新年の記者会見で「北核問題が解決してこそ南北関係が改善する」とし「北が挑発をしたり北核問題解決の意志を見せなければ、政府は2つ(対話・制裁)を共に駆使する政策を進めるしかない」と述べた。文大統領は「ただ対話だけが答えだと言うことはできない」とし「非核化は決して譲歩できない基本立場」と強調した。
我々は文大統領のこうした認識が、北核を解決して平和を引き出す最も現実的でバランスが取れた接近だと評価する。文大統領は執権8カ月間、北朝鮮の相次ぐミサイル発射と6回目の核実験強行で韓半島(朝鮮半島)が韓国戦争(朝鮮戦争)以来最も危険な状況に進むのを眺めた。繰り返し対話を提案したが、北朝鮮は「一考の価値もない」として挑発を続けた。その北朝鮮が新年に入って突然対話に旋回し、高官級会談が実現した。北朝鮮は平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)に過去最大規模の代表団を送ることにしたほか、軍事会談の開催にも合意し、偶発的な衝突を防ぐ道が開かれることになった。
文大統領としてはようやく訪れた対話の機会を生かして、より多くの成果を出したい気持ちが強いだろう。しかし忘れてはならないのは北朝鮮の非核化に向けた確実な要求と行動だ。非核化が抜けた対話は、朝米葛藤と同盟離反を煽り、北朝鮮に核武装の時間だけを与える最悪の一手となる。文大統領もこれをよく認識していることが記者会見で確認された。