鉄道の次は電力網? …南北交流繰り上げる直流電気

鉄道の次は電力網? …南北交流繰り上げる直流電気

2018年05月16日09時17分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  1886年、米国全域に60件の電力会社を設立したトーマス・エジソン。「直流」の電気を発明した彼には「交流」の電気が米国標準になるのを防ぐために「世論操作」に出た逸話がある。電圧を高めるのが難しい直流は当時2マイル以上送電することも難しかった。

  これに対しニコラ・テスラが開発した交流は変圧器を利用して簡単に電圧を高めることができ、遠くまで電気を送ることができる長所があった。エジソンは交流の危険性を強調するために南米で求めた交流発電機を監獄に送った。監獄で1700ボルトの交流電流で死刑を執行させ大衆に交流の危険性を印象づけようとしたのだ。しかしこうした世論操作も交流が電気の標準になった時代の流れを変えられなかった。

  130年ほど前の「直流と交流の戦争」は交流の勝利で終わったが、最近になり再び直流が注目されている。エジソンも解決できなかった難題だった直流電気の遠距離送電技術が最近になり相次いで開発されたためだ。ここに太陽光・水素燃料電池など新再生発電方式が直流形態で電気を生産し貯蔵しており、徐々に直流が交流の牙城を狙う支度をしている。LS電線など電線会社だけでなく、韓国電力やLGエレクトロニクスなど韓国を代表する電気・電子会社も「直流時代」に必要な核心技術開発にスピードを出している。

  LS電線は15日、世界で初めて高圧直流送電(HVDC・High Voltage Direct Current)ケーブルに対し公認機関の認証を受けたと明らかにした。昨年10月から6カ月にわたり進められた500キロボルト(50万ボルト)級高圧直流ケーブルに対する韓国電気研究院(KERI)の品質テストを通過したということだ。これにより特別な追加試験なく海外にも製品を輸出できるようになる。

  「家電名家」のLGエレクトロニクスも昨年11月から韓国電力と直流だけを使う家電生態系造成事業を始めた。韓国電力が直流配電網を構築すればLGエレクトロニクスがこれを活用できる家電製品を開発する方式だ。LGエレクトロニクス関係者は「現在直流で使える冷蔵庫、洗濯機、エアコン、空気清浄器などに対する開発を終わらせた状態。韓国電力が直流型展示館の構築に出るなら積極的に参加する予定だ」と説明した。

  130年前から直流は遠距離送電が不可能という決定的短所だけ除けば交流より長所が多かった。1秒に50~60回ずつ電流方向が変わる交流とは違い直流は一方向だけに流れる。流れが単純なためもっと細い電線でも同じ量の電気を送ることができ、電磁波も少なく発生する。電磁波を相対的にたくさん放出する交流は人体に有害でない設備を作るために最大限人と離れた高層送電塔と厚い被覆をかぶせたケーブルが必要だったが、直流はこうした設備を最小化できる。

  こうした直流の長所にもかかわらず交流が標準になった理由は実用性のためだ。交流は「テスラコイル」を利用して発電所で生産された電気の電圧を簡単に高められる。ポンプを強くねじって圧力を高めれば水を遠くまで流して送れるように、コイルを多く巻いて電圧を高めれば電気を遠くまで送ることができる。

  だが直流も電圧を高めることができる半導体技術が開発され遠距離伝送という難題を克服することになった。

  専門家らは、直流を活用すれば交流では不可能だった大陸間送電も可能だとみている。直流の方が電力損失が少ないためだ。ヨーロッパ大陸全体を電力網に連結したり、中国、インド、ブラジルなど国土面積が広い国の長距離送電も直流システムで可能になるという観測だ。LS電線のミョン・ノヒョン代表は「南北関係が急進展すればモンゴルに太陽光・風力発電団地を作り、中国、北朝鮮、韓国、日本などを電力網につなぐ北東アジアスーパーグリッド事業も具体化できるだろう」と強調した。

  特に再生可能エネルギーの急浮上も直流の活用度を高める要因になっている。漢陽大学電子システム工学科のク・ジャユン名誉教授は、「日光、風力、潮流など天候により電力生産量にばらつきがある再生可能エネルギーは生産されたエネルギーを貯蔵できる装置が必須。これに活用されるエネルギー貯蔵装置(ESS)と燃料電池などはすべて直流電気を使う装置だ」と説明した。
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