韓国、上流層に有利な大学入試選考が増える理由(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.07.19 13:30
このような状況で教育部が修学能力試験を絶対評価に転換すれば、学生簿総合選考がより拡大するものと見られる。金相坤(キム・サンゴン)教育部長官も「学生簿総合選考の拡大」に肯定的だ。これに対し、中央日報・JTBCの国家改革プロジェクト「リセットコリア」教育分科委員は学生簿総合選考をめぐって激しい討論を行った。9人中5人は「現行水準の維持と補完」、3人は「拡大」、1人は「自律」をそれぞれ主張した。
委員は公正性・透明性・客観性が学生簿総合選考の命だと口をそろえた。高麗大教育学科のキム・ギョングン教授は「どの教師に会うか、どの学校に通うかによって学生簿が変わる可能性があるのが最も大きな問題」と指摘した。中央(チュンアン)大教育学科のキム・イギョン教授は「保護者と私教育の影響を排除することができないうえに、合格・不合格の予測も難しいのが現実」と診断した。学生簿総合選考では生徒・高校・大学間信頼が一番大事だ。キム・イギョン教授は「相互信頼を築くためには徹底した『安全装置』が必要だ」と話した。一度信頼を失うと大きな代価を払わせる必要があるという説明だ。校内外の活動について嘘をついた生徒、虚偽事実を記した高校、選考基準と実際の選抜が異なる大学にはそれに応じた責任を問うという提案だ。ミリン女子高校のチュ・ソクフン校長は「安前候補の息子のように、学生簿総合選考の趣旨に合わない生徒は推薦から除外させる校則が必要だ」と話した。