民族問題研究所と親日人名辞典編纂委員会という民間団体が昨日“親日人名辞典収録予定者”4776人の名簿を発表して論議を呼んでいる。名簿は2005年に発表した3090人に新たに1600人余りを追加したのだ。編纂委は「客観的事実をもとに厳正な反省を通じて過去の過ちを繰り返さない趣旨」と明らかにしている。先日の歴史を正しく評価するということに異議を申し立てる人はいないだろう。
しかし、その歴史をどんな目で見るのかによって評価は変わるほかない。もちろん日本の爵位を受けたとか、売国などの明白な親日行為は、歴史の審判を受けて当然だ。しかし、当時、仕方なく、あるいはそれが現実であると思って受け入れた場合は歴史の理解という観点から察してあげるのが穏当だ。その時代の不可抗力で避けられなかったことまでも現在のようなものさしで見てしまったら、当事者は悔しくないだろうか。名簿に掲載された人の大部分はすでに世を去って、自ら釈明する機会さえ失っている。