フェラーリは最高級自動車ブランドだ。１台の価格が３億ウォン前後。優れた中型セダン１０台分、そこそこの小型車２０台分の価格だ。それでもフェラーリを買おうとする人が列を作る。

サムスン「ギャラクシー」は世界的に有名な携帯電話ブランドだ。価格は１００万ウォン程度。ギャラクシーは自動車で言えばフェラーリクラスだろうか。そうではない。普及規模を見れば中型セダンだ。疑問も提起できる。なぜ１０００万ウォンの最高級モデルは生産しないのか。イタリアにはフェラーリのほかにも同様の事例がある。マセラティ、ランボルギーニ、グッチ、プラダ、フェラガモなどきりがない。イタリアに比べ技術力に優れた韓国はなぜ主力生産品である携帯電話分野で最高級ブランドを作り出さないのだろうか。

問題は融合だ。イタリアはファッションと人体工学分野に強さがある。美的感覚と高級工芸伝統のおかげだ。秘訣はこうした長所が個別に存在するのではなく、統合的に機能して他の国では見られない魅力があふれる強力な製品を作り出すというところにある。

韓国もやはり多様な長所を持っている。韓国には創造的で冒険的で個性が強い芸術家、世界最高水準を誇るエンジニア、頭が良く国に対する奉仕意識で武装した役人が蓄積されている。しかし彼らは各自の領域で個別に活動するだけで、統合的作業に参加する事例は見つけるのが難しい。そうした作業を統合的に主導する人も珍しく、そうした努力を傾ける人たちは変人扱いされたりもする。

技術と芸術と行政が融合すれば革新的な技術と極度の美しさを備え効率的なマーケティング支援を受ける最高級携帯電話を開発することができる。韓国の携帯電話はいまでも世界最高だがフェラーリクラスの携帯電話は世界最高のブランドという評価の中で１０００万ウォンで売れるだろう。

１０００万ウォンのギャラクシーはどんな姿だろうか。まず外観に魅力があふれるだろう。最高級木工芸技術と宝石と金銀細工技術が使われ、これが機械装置なのか宝石箱なのか区分しにくいだろう。性能を見れば基本的に通話機能が搭載されているが多様なアプリケーションは質と量で世界最高だ。新しいアプリが出たりアップデートバージョンが出ればすぐに適用するよう設計されている。使用方法はとても簡単で保存空間が非常に大きく使用者は人生全体を携帯電話に保存し携帯電話を通じて仕事をすることになるだろう。１０００万ウォンでなく５０００万ウォンを出すという人が列を作ることになるだろう。


【コラム】１０００万ウォンのサムスン「ギャラクシー」を作ろう（２）