<Mr.ミリタリー>武装解除レベルの苦肉の策、南北軍事合意に隠れた危険(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.21 13:34
空中敵対行為の中止は東部はMDL40キロ以内、西部は20キロ以内の空域で固定翼航空機の飛行も禁止する。禁止空域内では戦闘機の空対地誘導武器射撃など実弾射撃訓練が禁止される。この基準に直ちに適用される航空機は北朝鮮軍を映像撮影する空軍の金剛偵察機と戦闘機だ。空軍戦闘機の合同直撃弾(JDAM)など誘導弾は北朝鮮の長射程砲洞窟陣地などを正確に打撃でき、北朝鮮軍には最も負担となる存在だ。この措置のため京畿道鳴声山(ミョンソン)山井(サンジョン)湖近隣の勝進訓練場での戦闘機実射撃訓練は中断または大幅縮小される見通しだ。戦闘機は旋回半径のために禁止空域を通過するしかないからだ。さらに東部地域で韓国より劣勢の北朝鮮空軍に余裕が生じることになった。空軍は江陵(カンヌン)と原州(ウォンジュ)にKF-16戦闘機などを配備し、東部地域で北朝鮮の挑発に備えている。
非武装地帯に設置されたGPの撤収も韓国側が不利だ。DMZ内に南側はGPをおよそ60カ所に、北側は160カ所にコンクリート構造物で配置している。GPにはほとんど1個小隊が勤務する。南北は今年末までにGPをそれぞれ11カ所ずつ同数で撤収することに合意した。原則的には南北が比例的に撤収しなければいけない。南側が11カ所、北側33カ所を撤収するという形でだ。しかし今回のように同数で撤収していけば、韓国が約60カ所をすべて除去しても北朝鮮は100カ所が依然としてDMZに残る。しかも北朝鮮はGPを支援する民警大隊もDMZ内にあるが、韓国の大隊はDMZの外にある。DMZ内で北朝鮮軍の侵入を監視するGPが不足すれば20万人にのぼる北朝鮮軍軽歩兵旅団など特殊部隊に対処するのは難しい。有事の際、韓国の将兵の犠牲が増える可能性がある。