韓経:【現場から】日本、完全雇用の逆説…人手不足に「おもてなし」消えた

韓経:【現場から】日本、完全雇用の逆説…人手不足に「おもてなし」消えた

2018年04月10日08時01分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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  東京・新橋にある天丼チェーン店の「てんや」。中産層のサラリーマンが主に食事をするここでは、注文を取り料理を運ぶスタッフ3人は全員ベトナムとフィリピンから来たアルバイト生だ。押し寄せるお客に疲れたためか注文を取るのも上の空で、出てきた料理もテーブルに雑に置くという印象を消し難い。近く芝公園にある中華料理店「明華楼」も事情は同様だ。中国人従業員の日本語がうまくなく、料理が間違って出される場合をよく見かける。

  長く日本は「サービス天国」だった。「天国」を超え「サービスが行き過ぎ」という指摘が出るほどだった。ひざまずいて注文を取る飲食店従業員、物を買えばドアの前まで見送りしお客が見えなくなるまで腰を曲げてあいさつする店員。また、折に触れ部屋を訪れ顧客の要求を聞き寝具を整理する旅館従業員、ピカピカの車に白い手袋をはめ親切にあいさつするタクシードライバーの姿は日本を代表するイメージでもあった。心からお客を接待するという意味を込めた「おもてなし」という表現は各国にも広く知られた。

  だが最近日本では飲食店などを中心に「サービスの質が以前とは違う」という指摘が珍しくない。「食べログ」など日本の飲食店紹介サイトでは飲食店スタッフの不親切に対する不満の書き込みを難なく見つけられる。2008年に高級料亭でお客が食べ残した刺し身を再使用して日本社会に衝撃を与えてからさまざまな飲食店で一部のおかず類を再使用するという「使い回し」の懸念も完全に消えないでいる。

  このように「サービス天国」という日本の名声が揺らぐ背景には人口構造の変動にともなう雇用市場の変化を挙げる分析が少なくない。2月基準で失業率2.5%の完全雇用状態で業者ごとに従業員を求めることができなくなり、従業員のサービス水準とマインドが低下しているという説明だ。5~6年前だけでも就職難から「就活」という用語まで登場したが、アベノミクス施行後は求職者優位の市場に変わりサービスの質が落ちているということだ。

  超高齢社会日本は2007年以降人口が減少し続けている。生産可能人口が急減し、業種を問わず求人難が深刻だ。2月の日本の有効求人倍率(求職者1人当たり求人数)は1.58倍で44年来の高水準となった。接客業などサービス業分野の有効求人倍率は3.85倍で働き手がさらに不足している。

  サービス業の人材の大多数は非熟練非正規職が満たしている。厚生労働省によると昨年の日本の非正規労働者は2036万人で、このうち49.0%の997万人がパートタイム労働者、20.5%の417万人がアルバイト形態だった。非正規職の大多数はサービス業種で働いている。特に非正規職のうち55歳以上の高齢層が全体の3分の1を超える36.2%を占め、サービスの質改善に限界があるという指摘が多い。

  日本はサービス業種でますます人を求めるのが難しくなり、自動化と外国人人材の活用で息をつないでいる状況だ。主要なコンビニでは自動決済が広がっており、人工知能(AI)を活用した接客サービスも増加している。不動産開発会社の三菱地所が東京・丸ノ内に建設したオフィスビルの食堂街では、警備、施設案内、清掃などをロボットが担当している。スタッフがおらずロボットがチェックインと清掃を担当する「変なホテル」も盛業中だ。

  不足する人材の相当数を外国人に変えるのもサービスの質が落ちる要因だ。言語や文化的な違いで日本特有の繊細なサービスを再現するのに障害になっている。これまで日本社会は外国人が働くのに排他的な社会だったが、人手不足で外国人の雇用が急速に増加している。昨年日本で働く外国人労働者数は127万8670人で過去最高を記録した。前年比18.0%急増した。中国(29.1%)、ベトナム(18.8%)、フィリピン(11.5%)などから流入している。

  人材不足が続くと日本のサービス業者の相当数は窮余の策で営業時間も減らしている。有名レストランチェーン「すかいらーく」は昨年24時間営業の店舗数を1000店から400店に減らした。モスバーガー、ロイヤルホスト、ガストなど有名飲食チェーンもこの数年で営業時間を相次いで短縮した。いずれも消費者の立場から見れば「サービス悪化」に当たる。

  日本社会の急速な高齢化と生産可能人口減少は「サービス王国」日本を揺るがしている。

  
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