◆高齢者の性犯罪５年前より５５％増

その一角で、高齢者を対象にした売春も密かに行われている。性的な欲求は残っているのに夫婦間の性生活が円満でなかったり独り身になったりした高齢者たちに売春をするのだ。大邱（テグ）のある公園が代表的な場所だ。ここにはいつもリップを塗った女性の高齢者１０人ほどがビール・栄養ドリンクなどが入った袋を持って立っている。飲み物をあげて接近した後、売春をするのだ。ここで出会った６０代の売春女性は「違法だとは思うが、私たちがいなければ高齢者の性的欲求を誰が解決してあげられるのか」として「若い人々は、高齢者の気持ちが分からない」と話した。

一方で高齢者による性犯罪も増加している。警察庁によれば６１歳以上の性犯罪件数は２００８年７１０件から昨年は１１０４件と５５％増加した。高齢者の性犯罪や売春は、いまだに韓国社会で高齢者の性問題が本格的に公論化されていない状態であることを示しているという指摘もある。

◆健全な性認識の変化をイシューに

こうした中、京畿道が全国で初めて「高齢者の性文化祭」を準備した。高齢者の性問題をより公論化して解決法を模索してみようという趣旨だ。行事は１７日午後１時半から４時半まで議政府（ウィジョンブ）にある京畿道北部庁舎で開かれる。行事では、泌尿器科の診療相談を受けて化粧法なども学べる。また、家父長的な社会でよく見られる一方的な性関係ではない、愛情がこもった性関係を結ぼうという内容などを含んだ「高齢者性文化宣言文」も採択する。

京畿道のパク・ジョンラン福祉女性室長は「これまで青少年のための性教育や性文化事業などは多かったが、年配の方のためのものはなかった」として「高齢者の健全な性認識の変化と健康な家族関係の改善のために高齢者性文化祭を準備した」と話した。


韓国地方自治体が高齢者性文化イベントを開催した訳は？（１）