<Mr.ミリタリー>南北合意、サソリの毒針に刺されるカエルになるな(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.03.09 16:12
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長に会った対北朝鮮特使団が持ち帰った南北間の暫定合意案には希望と憂慮がある。金委員長の率直な立場に、当初は世界のメディアと専門家が歓迎したが、数日過ぎた今は懸念を表している。北朝鮮が過去のようなトリックを繰り返す可能性のためだ。合意案には毒素条項と解釈される部分がある。北朝鮮の非核化過程にも地雷が随所にある。
対北朝鮮特使団の首席特使を務めた鄭義溶(チョン・ウィヨン)青瓦台安保室長が発表した内容は、南北合意事項というよりも北朝鮮がこれまで主張してきた従来の立場に近い。したがって徹底的な検証過程が必要だ。北朝鮮が今回も約束した非核化を実践できなければ北朝鮮は「三振アウト」を免れなくなる。北朝鮮に対する最後の期待ということだ。今は第3次北核危機だ。国際社会は第1・2次北核危機を経験しながら約20年間にわたり北朝鮮の非核化に努力したが、失敗した。その過程で北朝鮮に対する説得と善意の努力もあり、北朝鮮を経済的にも支援した。2回も南北首脳会談を開催したが、成果がなかった。ビクター・チャ米戦略国際問題研究所(CSIS)韓国部長は7日、CSISの情報誌を通じて「北朝鮮の姿勢は従来の立場から全く新しいものがない」とし「戦術的な作戦変更」と評価した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も同日、与野5党代表と会った席では「(北の)核廃棄が最終目標」とし「南北首脳会談や南北対話の進展は非核化と共に進まなければいけない」と述べ、性急な進展を警戒した。