【取材日記】不法滞在義人のコリアンドリームが見たい

【取材日記】不法滞在義人のコリアンドリームが見たい

2017年06月22日09時35分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  「早くビザを受けてスリランカに帰りたいです。母や父に会いたいです。お金を儲けて故郷に家を建てたいです」

  不法滞留者義人1号のニーマル・シリ・バンダラさん(38)の切実な願いだ。果たして彼の「コリアンドリーム」はかなえられるだろうか。残念ながら現在としては不可能だ。

  ニーマルさんは2月に慶北軍威郡(キョンブク・クヌィグン)のある農場で働いていたところ、火事が起きた家に飛び込んで90歳のおばあさんを救った。この事実が知らされ、保健福祉部が選定する義傷者、LG福祉財団が指定する義人になった。

  ところで、現在、苛酷な代価を払っている。

  不法滞在の事実が明らかになって追放されるところになった。また、火傷治療費800万ウォン(約78万円、600万ウォンはすでに本人負担)を健康保険公団に返さなければならない。火の中で有毒ガスを飲んだせいで肺に問題が生じ、硬化症で悪化する危機に直面している。一度せきを始めれば5~10分間続く。

  ニーマルさんは20日、大邱(テグ)出入国管理事務所を訪ねて不法滞留者だと自首した。そして治療ビザ(G1)を申し込んだ。彼は不法滞在罰金480万ウォンを出さなければならない。万一、ビザが拒否されれば追放される。ところで、治療ビザが出ても健保の恩恵は受けられない。毎週一回ずつ肺の治療を受けているが、10万ウォン以上必要だ。就職もできず農場バイトなどを通して生計費と治療費を儲けなければならない。日給は6万ウォン程度だ。事実上、これも不法だ。

  聞くところによれば、治療ビザが出れば罰金も軽減される可能性があるようだ。だが、不法滞在者の健保優遇還収金800万ウォンは避けられない。正しい行為をしてけがをしたのは考慮の対象でない。ややもすると命を失うかもしれなかったが「おばあさんが故郷にいる母のようだ」として飛び込んだ彼に韓国の配慮はとても薄情で、規定の壁はあまりにも高い。

  健保公団は通常、気の毒な状況に限って健保不当利用の費用と保険料の滞納金を棒引きにしてくれる。また、内国人が義傷者(1~6級)になると医療給与を適用して治療費を負担させない。しかし、ニーマルさんは外国人であるうえに、等級(9級)が低いのでこれさえ適用してもらえないという。

  一部のネットユーザーは「ただ義人証書だけを与え、病院費を負担させるだけでなく還収までするのか」として怒りをあらわにした。一部は「治療費・罰金両方とも解決して永久滞留を許容しよう」と提案した。ニーマルさんは韓国の優秀な医療を活用して病気を治してからお金を儲けたいと思っている。そのまま戻れば肺病がひどくなり、どうなるか分からない。今彼にとって最も必要なのは就職ビザや治療費、罰金免除だ。

  ニーマルさんは「韓国に良い人多いです」と限りない愛情を表わしている。韓国社会がそのような暖かい心を抱いてあげられないほど、厳しい社会ではないだろう。ニーマルさんの「コリアンドリーム」達成が見たい。

  シン・ソンシク/福祉専門記者
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