【時論】韓国の大統領制はなぜ繰り返し失敗するのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.11.08 09:04
ただ惨憺たる思いという言葉以外には何が言えるだろうか。沈没しつつある大韓民国の政治と民主主義を見つめながら国民の一人として深い挫折感と沈痛な思いに沈むほかない。だが、このように気を落としてじっとしているわけにもいかず、学者としての責任を感じつつ、なぜここまで来てしまったのかを考え込んでしまうことになる。今後どうすればこの現実を乗り越え、希望の政治を再び取り戻すことができるのか悩んでみたい。
私たちは建国以来、大統領制の持続的な失敗を味わっている。前職大統領の権力欲による長期政権、独裁、親族の不正による国政混乱などに苦しめられなければならず、大統領の悲しい結末を目撃しなければならなかった。なぜ韓国の大統領制は失敗してしまうのだろうか。
一般の常識とは違い、大統領制国家は世界の民主主義国家のうち5分の1水準を越えない。そのうち成功事例は、制度考案国である米国が唯一だといっても過言ではない。歴史的に見ると、大統領制の出現は米国の建国とともに全く新しい民主主義的権力構造を創案しながら出発した。建国当時の憲政代表者たちの目標は、独裁の可能性は全て排除しながらも国家指導力を提供する行政首班を作り出すということだった。個人の自由を最大限に保護して独裁を回避しようと、強い議会と弱い行政府を構築するために大統領の役割と権限に多くの制限を設けた。