【グルメ】名士たちの馴染みの店(1)青瓦台から60年間注文を受ける餅屋
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.04.01 15:49
中央日報「江南通新」の人気コンテンツ「味対味ライバル」にこれまで紹介された食堂はその歴史の古さから、前職大統領から財界人、芸能人、文化芸術家まで幅広い層の常連客を抱えている。彼らは味に関しては一家言あるという共通点があった。飾り気のない膳を好む大統領から入院中にジャージャー麺を食べるために看護師を連れてやって来た大企業会長、ウナギの蒲焼きで気力を充電した野球選手まで、名士の馴染み店を6回シリーズで紹介していく。
◆青瓦台から60年間注文を受ける餅屋
大統領の食欲には飾り気がなかった。前職大統領がよく訪れた三清洞(サムチョンドン)スジェビと楽園餅屋は庶民の雰囲気が充満している店だ。三清洞スジェビは青瓦台の近くに位置していることから歴代大統領が当選前後に足繁く訪れた。盧泰愚(ノ・テウ)元大統領は当選したばかりの頃に近くの金融研修院に業務引継委員会を設置したが、この時同店社長のハン・ギヨン氏(67)に研修院に来てスジェビを作ってほしいと依頼した。しかし、当時手を怪我していたハン社長はこれを断り、結局参謀が店にやって来てスジェビを持っていったという。故盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は国会議員時代から訪れ、李明博(イ・ミョンバク)大統領は就任後もたびたび店を訪れた。大統領の食欲をそそった三清洞スジェビの秘訣は真心だ。キムチや醤油に至るまで全て店の手作りだ。特に、スジェビは機械ではなく手で薄くちぎる。押し寄せる客に厨房スタッフが分厚いスジェビを出しはしないかと案じたハン社長は台所に「スジェビは薄く」という注意書きを貼っておいた。