【噴水台】アンコールワットより崇礼門に私は感謝する
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.05.09 13:02
「2度としない」と言いながらも時々、先祖のせいにする時がある。万里の長城やピラミッド、海外の巨大遺跡を見るとひとりでに出てくるため息。「うらやましい。われわれのご先祖様は何をしていたのか」というのもそうしたひとつだ。先月出張の途中に立ち寄ったアンコールワットでもそうした。汝矣島(ヨイド)に匹敵する広さ63万坪余り、1.5トンの石1000万個を100万人が40年間運んで積み上げ彫刻して作ったという巨大芸術作品。ところがそれが190の寺院のひとつにすぎないとは(もちろん最も大きくて華麗だ)。
アンコールワットはカンボジア国民には遺跡、それ以上だ。国民所得の約10%(約10億ドル)がアンコールワット観光から出てくる。関連効果まで合わせれば国内総生産(GDP)の約22%だ。それこそ金の卵を産むガチョウで、生業の基盤であり、過去の栄華の象徴だ。彼らの先祖は9~14世紀にインドシナ半島を支配した。ベトナム、タイ、ミャンマーを征服した覇権者だった。アンコールワットは先祖のようによく暮らせるという証拠で、座標でもある。よほどでなければ紙幣や国旗にアンコールワットが描かれ、国営ビール会社、航空会社の名前もアンコールだろうか。カンボジアのある高官は、「アンコールワットがカンボジア国民を食べさせる。先祖に感謝する」と話した。