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ノーベル賞を逃したキム・フィリップ教授「残念だが、最終目的は賞でない」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.12.01 14:50
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米ニューヨーク時間の11月29日午後7時40分、コロンビア大のキム・フィリップ教授(43・物理学)の家に電話をかけた。 キム教授は夕食を食べた後、講義のためにまた学校に行かなければいけない、と話した。 夜10時ごろ、キム教授は研究室に戻ってきた。

 
従来の半導体物質より軽く、曲がり、銅より100倍以上も電気がよく通る新物質グラフィンは、物理学の先端分野だ。 キム教授はグラフィンの主要物理的特性3種類をすべて明らかにした唯一の人物。 10月にグラフィン分野の先駆者2人がノーベル物理学賞を受賞した。 しかしキム教授の名前はなかった。 あちこちで反論が出てきた。 世界的学術誌ネイチャーは先月24日、正式に問題を提起した。 ノーベル物理学賞委員会もミスを認めた。 これについてキム教授に心境を尋ねた。

--委員会がミスを認めたが。

「決定的なミスではない。 文書を作成するうえで編集上のエラーを認めただけだ。 受賞すべき人が受賞した」

--キム教授の寄与度が受賞者に比べて圧倒的に大きいという評価もある。

「寄与度をどう見るかには差がある。 ノーベル賞は‘最初の寄与者’を優待する。 受賞者の最初の論文が私をはじめとする数多くの後発者を助けた」

--他人事のように話しているが、 二度と来ないチャンスなのでは。

「残念に思わないと言えば嘘になる。 一つの席が空いているので(3人まで共同受賞)私がそこに入るという評価もある。 しかし科学者の最終目的は賞ではない。 研究過程を通じて多くのことを学んだ。 非常に楽しい時間だった」

(母校のソウル大は激高した反応だ。 物理天文学部は先月29日、「キム教授が共同受賞者に選ばれるべきだ」という公式立場を表した。 キム教授はソウル大で修士課程まで過ごした。 ハーバード大で博士学位を取得した)

--韓国が基礎学問を軽視しているという批判がある。

「応用(お金)と関連した研究でなければ研究費を得るのが難しい。 基礎学問の研究提案書に‘市場性’を必ず記入しなければならないことが多い。 基礎学問の市場性はすぐに出てこない」

キム教授は基礎学問を一つの文化だと定義した。 好きな学問を自分なりのスタイルで根気強く研究し、社会は忍耐心を持って待ってくれる文化、ということだ。 キム教授は基礎学問に対する韓国の文化がまだ成熟していない現実について語った。


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