<インタビュー>『田舎のパン屋が見つけた「腐る」経済』著者の渡邉格さん(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.04.01 14:21
--利潤を追求しないという経営哲学に多くの人が共感していますが、一部では頭をかしげています。利潤を追わない事業に何の意味があるのかです。特に欲のない小市民でも老後の備えや子供の教育などへの心配のためにお金を貯めようとするのではないでしょうか。
▼格さん=「資本主義の問題点の1つが『細分化』です。以前は1世帯あたりテレビが1台だったが今は2台、3台ずつあります。それだけ家族や地域社会という概念が崩れて個人主義が蔓延しながら社会のセーフティーネットがなくなっているのです。これを資本主義経済では『消費が増えながら成長が促進されている』と表現します。それで私たちは、土地で穀物を化学肥料や添加物なしに作り、その食べ物を売る時は品質と努力に相応する高いお金をもらって皆が豊かな『循環型社会』を作ろうという挑戦をしているのです。遠い昔のようにですね。私たちも(老後などへの)不安感がないわけではありませんが、少なくとも暮らす分には問題ないという自信がさらに強くなりました」