【社説】ハノイ会談の決裂に目を閉じた韓国与党の対北朝鮮認識
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.18 16:17
金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官候補が2010年の寄稿で、金剛山(クムガンサン)観光客パク・ワンジャさん銃殺事件を「通過儀礼」と規定し、「いずれ発生する事件なら早く経験するのがよい」と主張していたことが確認された。2008年に金剛山観光に行ったところ北朝鮮哨兵の銃撃を受けて死亡したパクさんの事件の真相を究明して責任を明確にしようという姿勢は、北朝鮮専門家の金候補の脳裏に最初からなかったということだ。実際、金候補は2年後のセミナーで「パクさん死亡事件が発生してから歳月が流れ、真相調査の意味は大きくない」と発言した。
これは金候補が閣僚としての基本資格を備えているかどうかについて根本的な疑問を投げかける発言だ。そもそも閣僚の最優先任務は国民の生命と安全を守ることだ。時に戦略的な対北朝鮮接近が必要な統一部長官とはいえ例外にはならない。金候補はパク・ワンジャさんの事件に関する発言だけでなく、対北朝鮮政策方向および韓半島(朝鮮半島)情勢に関する認識全般にも疑問が提起されている状態だ。