【コラム】米国のインド太平洋戦略と韓国の新南方外交…接点見つけなくては(2)

【コラム】米国のインド太平洋戦略と韓国の新南方外交…接点見つけなくては(2)

2019年07月10日11時54分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  問題は米国と中国の間にある韓国の戦略と立場だ。果たしてインド太平洋戦略への参加は韓国の国益に致命的損失だろうか。トランプ政権の決然とした意志にもかかわらず、韓国政府は中国との衝突を懸念した末に積極的に支持したり参加することをためらってきた。国際政治学の同盟理論のうち、巻き込まれ(entrapment)と見捨てられ(abandonement)という概念がある。文在寅政権は米国が韓国を見捨てる可能性より米国と中国の激突に韓国が巻き込まれる可能性に大きな恐れを感じているようだ。しかしその結果が及ぼす影響は深刻だ。米国と日本に現れている新アチソンラインの主張が次第に普遍化しているためだ。これは米中間の軍事的激突を避けるために韓半島(朝鮮半島)の外に米国の防衛線を後退させることも考慮できるという主張だ。韓国の対中傾斜論もこの主張に力を加える要因だ。

  韓国のためらう態度は高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の時のような中国の報復を懸念するのはある面では理解できることだ。だが同盟のビジョンと未来戦略を開拓するという次元から韓国の役割と地位の転落をこのまま放置してはいけない。

  インドの立場は参考に値する。3月5~6日にインド太平洋戦略を主題にしたセミナーがインド海軍協会の主宰によりニューデリーで開かれた。インドは自分たちの役割を決して対中軍事的封鎖に置いていないと強く主張し、中国との協力と牽制も同時に考慮しているとした。インドの事例はインド太平洋戦略への参加が必ずしも米国の意図通りに動いたり中国との衝突を前提とするものではないということを示している。

  米国は対中封鎖作戦だけするのではない。地球温暖化にともなう災害がアジア地域とインド洋で急増している。これに向け人道的支援と災害救助作戦だけ年7回以上進めている。南北和解時代に韓半島で合同演習を持続するのが難しい事情ならば域外訓練に参加を拡大することが望ましい。4月に訪韓した米太平洋海兵隊ルイス・クラパロッタ司令官は海兵隊創設70周年セミナーで韓国海兵隊がともに参加すれば多いに役立つと強調した。

  航行の自由に対する中国の威嚇や武力行使の試みがあるならば国際規範に基づいて行動し対応すれば良い。しかし対中封鎖政策に参加しているという疑いを避けるために地域安定者としての役割を放棄したり消極的な立場を取るならば最も強力な同盟としての位置づけと地位は維持しにくい。

  ◇地域安定とグローバル役割の摸索

  インド太平洋戦略に積極的に参加するのは単純に同盟管理次元だけでなく、国際社会の安全と平和に向けたリーダーシップを発揮し寄与しなければならないという動機要因から始まらなければならない。インド太平洋戦略は人道支援と災害救護など世界国家としての責任と義務を果たすという観点から新たにアプローチしなければならない。北朝鮮との関係改善や中国との友好関係維持に負担になることを心配するよりは、非拡散のような超国境的脅威を管理するという次元で韓国の役割を探さなければならない。世界次元の安全を図り世界国家としての責務を果たさなければならないという点から韓国の利益を積極的に定義し探しに出なければならない。これこそが大統領がノルウェーで強調した平和の実体だ。

  戦争の不在という消極的意味ではなく実質的寄与に立脚した平和のためならばもう少し積極的な世界戦略が必要だ。先月30日に文大統領とトランプ大統領の8回目の首脳会談で明らかにしたインド太平洋戦略と韓国の新南方外交の接点探しに対する意志表明は時機は逸したものの歓迎すべき知らせだ。今後世界戦略に基づいた外交安保政策の大きなビジョン絵の中で、より積極的な位置選定と具体的なプログラムを通じ韓国がインド太平洋の安定と平和に最も重要な利害当事者という点を見せなければならない。

  洪圭徳(ホン・ギュドク)/淑明女子大学国際政策研究院長

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