裁判で公開された外交機密…韓国前外交長官「韓国の交渉戦略がすべて露出」

裁判で公開された外交機密…韓国前外交長官「韓国の交渉戦略がすべて露出」

2019年05月15日14時23分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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尹炳世(ユン・ビョンセ)前外交部長官
  「韓日間の外交が前例がないほど深刻な状況で、日本政府も(今回の裁判を)綿密にモニタリングしています」

  14日、林鍾憲(イム・ジョンホン)前法院行政処次長の司法行政権乱用疑惑裁判の証人として出席した尹炳世(ユン・ビョンセ)前外交部長官が非公開裁判を要請した。

  韓日間の懸案である強制徴用問題が扱われる点、これに対する外交機密が公開されて自身の回答過程で強制徴用に対する政府の内部対策が明らかになるという懸念のためだった。尹氏は「誠実に答える、証人尋問だけは非公開にしてほしい」と要請した。

  だが、裁判所は公開裁判を主張する検察のほうに回った。その後、この日の裁判では2級秘密を含む外交部の強制徴用関連機密文書が一つ一つ公開された。外交機密は現行法上30年が過ぎてからしか公開することができない。文書の大部分は5~6年前に作成された機密だった。

  検察が公開した文書の中には、朴槿恵(パク・クネ)政府の外交部が大法院(最高裁)の強制徴用判決延期の必要性を明らかにした「裁判取り引き疑惑」文書も含まれた。

  だが、その過程で日本が強制徴用賠償問題を国際司法裁判所(ICJ)等に提訴する場合、韓国外交部がどう結果を予想していたかも明らかにされた。

  韓日関係を扱った前職外交部高位関係者は「韓日関係が最悪状態に陥っている状況で、検察と裁判所が政府の外交戦略を日本に知らせている」としてため息を吐いた。

  裁判は公開することが原則だ。裁判所組織法上、非公開裁判は国家の安全保障、安寧秩序を害するおそれがある場合に限って可能だ。判事出身の弁護士は「裁判所が強制徴用関連の機密に対する安全保障の懸念を厳格に解釈したとみられる」と話した。

  検察関係者は「他の国と交渉した内容ではない、我々内部の議論過程が入った文書」としながら「尹氏の主張のように外交機密の価値があるとは考えていない」と話した。

  だが、外交界ではこのような検察と裁判所の主張に対して「積弊清算以外の他の価値は考慮しない短見」と反発している。

  対米交渉を担当した元高位外交官は「国内の内部議論も他国との交渉のための過程」としながら「外部交渉と内部議論を別に分離して秘密の価値を判断するという主張には同意することはできない」と話した。

  この外交官は「私たちが特定懸案に対していかなる判断を下しているのかが分かれば、他国との交渉で絶対的に不利な境遇に置かれることになる」と指摘した。

  青瓦台(チョンワデ、大統領府)で長く勤務した他の外交官も「今のように政権が変わるたびに過去の政府の外交機密が公開されるなら、いかなる国も我々に敏感な情報を与えようとしないだろう」と憂慮した。

  聖公会(ソンゴンフェ)大学の梁起豪(ヤン・ギホ)教授は「検察と裁判所の判断を尊重するが、現在のように韓日関係が難しい時期に外交的な波紋に対して慎重に判断するべき」とした。

  裁判所と検察が司法行政権乱用疑惑の裁判を大衆に公開するのは世論を意識しているためだという指摘もある。裁判所は「身内をかばっている」という批判を心配し、検察は裁判取り引き疑惑がメディアで報道されるほど事件の実体を明らかにするのが容易だということだ。

  裁判に証人として出席した尹氏は検察が提示した多数の文書に対して「報告を受けた記憶が正確に出てこない」という言葉を繰り返して世論の叱責を受けた。非公開裁判だったら分からなかった場面だ。

  それでも部長判事出身の弁護士は「国家機密を扱う裁判の場合、検察が先に非公開を要請した場合が大多数」とし「梁承泰(ヤン・スンテ)前大法院長と林前次長の裁判ではそのような基準を適用しないようだ」と話した。

  だが、別の判事出身の弁護士は「裁判は公開が原則であり、国益という抽象的な理由で裁判を非公開に切り替えるなら、かえって裁判が政治と世論に従属するおそれがある」と指摘した。

  尹氏は証人喚問が終わった後、記者に対して「裁判所の外では何の話もしない」と話した。

  検察はまだ尹氏ら証人として出席した前職高位外交官に対して不起訴処分を下していない。検事出身の弁護士は「彼らの証言と態度により、検察はいつでも他の判断を下すこともできるという考え」と説明した。
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