６日朝、光州（クァンジュ）広域市にあるクムホタイヤ工場の正門。高速バス９台が門の前をふさいだ。労組員の出入りを防ぐためだった。この日、使用者側は労組の長期ストライキに対抗し、「職場閉鎖」という強硬姿勢を見せた。労組員の施設占拠を防ぎ、退去を要求するため、ついにバリケード用のバスが登場したのだ。

会社の関係者は「労組のストが会社の存立を脅かす状況に達した」と訴えた。労組は先月１７日からストを始めた。すでに２１日目だ。使用者側によると、今までの生産損失は９４０億ウォン（約９４億円）という。国内工場の年間売上高の６．６％にのぼる。タイヤの供給に支障が生じ、会社は「対外信用度」下落まで懸念する。

このように「職場閉鎖」まで進むことになったのは、狭く見れば賃金ピーク制や成果給などの争点で隔たりを狭められないからだ。先週末まで続いた交渉で使用者側は賃金ピーク制の施行を来年に遅らせる案とともに賃金減少による一時金３００万ウォンを最終案として提示した。しかし労組は追加で成果給を要請してきた。会社の関係者は「今年の実績が出ていないのに、成果給を先に支給することはできない」とし「ストのため損失額も雪だるま式に増えた」と述べた。一方、労組の関係者は「交渉代表が決断をきちんと出せないなど交渉に誠意がない」と対抗した。

会社側は労組があまりにも利益ばかり追っているという立場だ。業界２位のクムホタイヤは今年に入って半年間に１兆５３８０億ウォン分のタイヤを販売した。利子・営業費などを差し引いて残った純利益は２２４億ウォンほどだ。一方、業界トップのハンコックタイヤは売上高３兆１０６３億ウォンで純利益は３１５０億ウォンだ。かなり差が大きい。年俸はどうか。クムホタイヤの２０年目生産職の年俸は６３８０万ウォンほどだ。ハンコックタイヤの場合、同じ条件の職員が６７００万ウォンだ。

実際、長く見るとクムホタイヤの「スト対立」は根深い。同社は２００９年に経営悪化でワークアウト（企業財務構造改善作業）に入った。その後、賃金カット・整理解雇などを経験し、４回のストがあった。職場閉鎖はすでに２００９年と２０１１年にも断行している。

同社は昨年末、苦労してワークアウトを卒業した。しかし今回もストで競争力を低めている。労使の前には宿題がいくつも山積している。最近は朴三求（パク・サムグ）クムホアシアナグループ会長までが登場し、「ライバル会社と比較した実績悪化は弁解の余地がない。品質・生産・技術力すべての変化で方向を再確立してほしい」と訴えた。クムホタイヤは起亜車やサムスン電子とともに光州経済を率いる「３頭立て馬車」と見られている。労組の譲歩と使用者側の適切な対応でストという悪循環を断ち切らなければいけない。

キム・ジュンスル経済部門記者