【コラム】「米軍縮小」緊張感のない韓国政府

【コラム】「米軍縮小」緊張感のない韓国政府

2019年01月22日08時31分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  10日、インドの首都ニューデリー。韓国国内の注目が金正恩(キム・ジョンウン)の訪中に傾いていた間、ここでは韓国の運命とも直結した行事が開かれた。インド政府主管で今年4回目となった「ライシナ対話」だ。インド首相官邸があるライシナの丘から名前を取ったこの行事は、米トランプ政権が掲げる「インド太平洋時代」の4大主軸国である米国、日本、オーストラリア、インド間の協力のために設けられた。国際舞台ではすでにこの4カ国間の安保協力を「4カ国同盟(Quad Alliance)」と呼ぶ。

  なぜ名前もなじみが薄い4カ国同盟に注目しなければならないのか。米国の立場では4カ国同盟の重要性が大きくなるほど韓国の戦略的価値が減るせいだ。東アジアで米国はこれまで「ハブ・アンド・スポーク戦略」を展開してきた。米国を中心にスポーク状に韓国、日本、台湾、オーストラリア、シンガポールなど友好国と2国間同盟を結んで東アジア全域をまとめる戦略だった。

  そんな米国がトランプ大統領就任後に突然「インド太平洋戦略」という概念を持ち出し安保構図を揺さぶり始めた。日米豪印4カ国同盟国をつなぐ新たな安保軸が浮上したのだ。このため米国の核心同盟国として優遇されてきた韓国は突然に安保の辺境に転落する状況に至った。

  このため最近外交・安保専門家の間では「新アチソンライン」という言葉が亡霊のように飛び交っている。アチソンラインは1950年に米国務長官だったディーン・アチソンが明らかにした極東防衛線だ。当時アリューシャン列島-日本-沖縄-フィリピンをつなぐ防衛線の中に韓国は含まれなかった。南侵しても米国が介入しない政策と北朝鮮が信じたのもこのためだ。

  こうした不吉なアチソンラインが改めて議論されるには別の理由もある。まず2回目の米朝首脳会談を控えあちこちで在韓米軍縮小説が出ている。トランプ大統領からして韓国の「安保ただ乗り論」を出しはばかることなく在韓米軍撤収を主張してきた人物だ。そうでなくても手を引きたいところにもっともらしい口実さえできればすぐにでも呼び戻すことは明らかだ。

  さらに深刻なのは在韓米軍が減れば歩兵戦闘部隊が抜けるということだ。現在米第2師団第1旅団所属の4500人は9カ月の循環勤務の原則により7月には戻らなければならない。韓国に来る予定の新部隊を送らなければ自然に縮小されるという話だ。

  日本との消耗的な紛争も米軍縮小をあおる悪材料だ。日本はこれまで在韓米軍撤退をだれよりも強く反対してきた。もちろん韓国ではなく自分たちの安保のためだ。日本としては在韓米軍撤退時に大韓海峡(対馬海峡)が北朝鮮と向き合う最前線になるほかない。昨年6月にトランプ大統領が在韓米軍撤退を切り出すと当時の小野寺五典防衛相がすぐにマティス米国防長官に電話をかけ「そのまま置くように」と要請したのもこのためだ。

  だがそんな日本の雰囲気ががらりと変わった。在韓米軍撤退を仮定して日本の安保問題を議論するケースが増えた。米国が在韓米軍を引き揚げようとしても日本が立ち上がって引き留めない公算が大きくなったという意味だ。このようになったのは日本と絶えず対立してきた韓国政府の責任も大きい。

  こうした雰囲気が続けばトランプ大統領の米国優先主義と日本の傍観の中で在韓米軍撤退または縮小が突然行われる可能性はますます大きくなるほかない。韓国が孤立することになりかねないという話だ。在韓米軍撤退もいつかは真剣に議論されなければならない事案だ。だがまともに準備されていない現在ではない。これなのに現政権は危機を感じるそぶりもない。ただもどかしいばかりだ。

  ナム・ジョンホ/論説委員

  
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