韓経:【コラム】韓国の国家R&D事業投資の効率性が低い理由
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.02 13:08
韓国の経済成長率が数年間2-3%台にとどまり、企業の採算性悪化、廃業、壮年層および青年層の失業など社会的に深刻な問題がふくらんでいる。経済が回復してこそ解決のきっかけが生じるため、さまざまな目的の政府の投資が増えている。しかし政府の投資が効率的でないという指摘があちこちで出てきている。科学技術研究開発(R&D)分野が代表的な例だ。
昨年の韓国のR&D投資額は国内総生産(GDP)の5%にあたる19兆1000億ウォン(約1兆9000億円)と、世界5番目の規模を誇る。その成果として科学技術論文引用索引(SCI)が世界12位、標準特許保有件数は5位(2014年基準)に上がり、これによって優秀な科学技術底辺構築と人材養成が実現した。しかしこうした成果に反し、世界経済フォーラム(WEF)が発表したR&D競争力順位は2009年の11位から2015年には19位に落ちた。技術貿易収支の赤字はこの数年間約50億ドルと、経済協力開発機構(OECD)のうち赤字が最も大きいという。特に米国に対する技術貿易赤字は2015年に67億ドルに増え、他の技術先進国に対する赤字状況も改善しないなど、依然として輸入技術依存状態から抜け出していない。要約すると、政府のR&D投資で象徴的な科学技術成果指標である論文と特許の量的水準は良くなったが、そのような成果から国家経済が得る質的効果は十分でないということだ。