【時視各角】ワシントンから見た文大統領のインタビュー

【時視各角】ワシントンから見た文大統領のインタビュー

2019年05月15日11時28分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  トランプ米大統領が当選2周年を迎えた昨年11月、フォックスニュースとインタビューを行った。フォックスはトランプが唯一「本物のメディア」とほめるメディア。司会者はベテランアンカー、クリス・ウォーレスだった。

  「あなたはメディアを『国民の敵』と言ったが」(ウォーレス) 「100%真実だ」(トランプ) 「ケネディ大統領も(気に入らなくて)ニューヨーク・ヘラルド・トリビューンの購読を取り消した。だが『国民の敵』とは言わなかった。ロシア・中国・ベネズエラの独裁指導者があなたの言葉を引用してメディアを弾圧しているのではないか」(ウォーレス) 「私は私の話をするだけだ」(トランプ) 「だが、あなたは今全世界で(メディアの)弾圧の象徴のように思われている」(ウォーレス) 「私はメディアが好きだ。だが公正でなければならない」(トランプ) 「(話を遮って)大統領が何が公正で、何が公正でないのかを決めることはできない」(ウォーレス) 「私は分かっている」(トランプ) 「オバマ大統領もフォックスニュースに対して不満が多かったが、私たちに『国民の敵』とは言わなかった」(ウォーレス) 「あなたにそのように(国民の敵と)言ったわけではないが…」(トランプ) 「(話を遮って)私たちは(メディアは)一つだ」(ウォーレス)

  めがね越しに不満いっぱいのウォーレスの目、苛立って赤くなったトランプの顔。トランプに友好的な放送だと知られたフォックスニュースというが、インタビューとはこのようなものだ。

  先週、KBSのソン・ヒョンジョン記者の文在寅(ムン・ジェイン)大統領のインタビューをめぐりまだ意見が分かれている。大統領の発言をしばしば遮り(80分間計28回だったという)、「独裁者」という言葉を使い(野党の主張を引用した)、大統領にしかめたような表情を浮かべたのが問題という。いくつかを考えてみたい。一つ目は、インタビューをした人も受けた人も不満がない。本音は分からないが、ないという。それなら問題にする理由がない。二つ目は、話を遮ったのは記者の裁量だ。時間が限られた生放送インタビューで的外れの回答をいつまでも聞いているわけにはいかない。フォックスとのインタビュー当時、上に要約した「メディア」の部分(6分42秒)でウォーレスはトランプの話を何と16度遮った。割合で単純計算すれば、ソン記者の7倍だ。それでも誰も何とも言わない。いや、そうするように報道機関ごとに「エース記者」をインタビューに投じる。三つ目は、記者に不適切な質問とはない。ウォーレスは大統領の面前で第三者の引用もせず「あなたは(メディアの)弾圧の象徴(Beacon of repression)」と直撃弾を放った。CBS放送のホワイトハウス出入り記者、ゲロットは2015年イラン核交渉合意を誇るオバマに「米国人4人がまだイランに抑留されているが、どうやってあなたはファンファーレを鳴らすことができるか」と責め立てた。あえて米国の事例を挙げなくても、最大権力の大統領に直接的に、批判的に問い詰めるのは自由民主主義国家であれば当然のことだ。はいはいと優しい質問だけをして、それをほめる社会は北朝鮮のような王朝社会だ。

  インタビューの核心は国民が聞きたい質問を記者がしたのか、そして、そこに大統領がどれほど説得力を持って答えたのかだ。インタビュー後、ソン記者の夫やいとこが誰で、表情がどうのこうのとしながら青瓦台(チョンワデ、大統領府)の国民請願掲示板をマルチポストする行動は、本質からは目をそらして小さい部分をめぐって甲論乙駁する韓国社会の後進性を見せる。

  60年間、何と10人の米大統領に核心を突く質問をしたヘレン・トーマス記者が引退しながら残した言葉。「荒い質問が無礼だとは思わない。大統領が追及されなければ、彼は君主や独裁者になる可能性がある。私たちは人気を得るために記者になったわけではない。答えを得るまで大統領に絶え間ない圧力をかけなければならない。それは私たちの使命だ」。

  勉強も足りず職業意識も弱い記者、自身が支持する大統領に対する非難に慣れない国民の皆が肝に銘じるべき言葉だ。ソン記者のインタビューはまだフォックスニュースのウォーレスの半分にも及ばない。

  キム・ヒョンギ/ワシントン総局長
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