韓経:【コラム】韓国にはなぜ「黒猫白猫論」がないか

韓経:【コラム】韓国にはなぜ「黒猫白猫論」がないか

2018年12月21日11時05分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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  国家経済は時計版と似ていた。忙しく回る秒針はミクロ経済、ゆっくり回る分針はマクロ経済、非常にノロノロと進む時針は世界経済にそれぞれたとえることができる。秒針が分針・時針と反対に回れば時計は故障する。ミクロ政策がマクロ経済と世界経済の大きな流れに符合しなければならないということだ。

  そうした点で文在寅(ムン・ジェイン)政府が「無能なのか、アマチュアなのか」という酷評まで聞くことになったのは予定された帰結というべきだ。最初から主力産業が崩れているのに高費用政策で一貫した、経済政策の未熟さのせいだ。最低賃金を2年間で30%上げたうえ週休手当てまで強行したことで、これからは大企業も法律違反者になりそうなところだ。非正常といってもこんな非正常はない。

  もちろん、今の経済難を100%現政権の責任として処理すれば悔しいかもしれない。しかし「準備された無能」という批判は避けられない。過去の政権がそうだったように、5年任期が「歓呼→意欲→意地→不通→反発→無能」という手順を踏んでいく。「歴史は同じようには繰り返さないが、韻を踏む」というマーク・トウェインの言葉を思い出させる。

  韓国経済が抱いている根本的な問題は来年の成長率低下次元ではない。多くの危機を体験してもまったく変わっていない。韓国社会には「危機克服DNA」はあっても「危機予防能力」がないのではないか。外貨準備高4000億ドル、経常収支80カ月連続黒字などマクロ指標は20年前とは異なる。しかし、その裏面に隠れているミクロ経済の崩壊はどこから手を付けたらよいか分からない状況だ。通信区火災、KTX脱線、雇用不正などで見るように制度や職業倫理まで崩れるが、政権が変わるたびに「極端スイング」だけ繰り返している。システムを高度化する考えはなく、いつも人のせいだけにする。

  国外からの視線も今は普通ではない。国際金融界関係者は「主要経済大国のうち、硬貨(直接交換が可能な通貨)を持つことができなかった国は韓国とインド程度だが、韓国は世界の流れに逆行している」と指摘した。世界が成長に注力しているときに韓国は分配で、減税しているときに増税で、海外に出た企業のUターンを誘導しているときに企業を追い出す反企業に成り下がったというのだ。

  その対価が「韓国だけが不況」であり、今年に入って7兆ウォン(約6930億円)の「外国人の株式売り越し」だ。海外投資家は韓国の危機対処能力と予測の可能性に疑問を持ち始めた。半導体景気まで消えれば、それまで水面下にあった危機の兆候が一度に浮上してくる公算が大きい。虚弱になった国に国際投機資本は病原菌のようなものだ。頭の中(政争)はこんがらがり、運動(構造調整)はせず、悪いもの(逆回り政策)だけを食べて、麻薬(政治ポピュリズム)に酔っていれば間違いなく荒れる。

  最近、文大統領が経済政策に手を入れる作業に積極的に取り組んでいる。しかし、過去1年半を虚しく過ごしたせいで経済回復はさらに厳しそうに見える。来年の経済政策方向に対して、全国民主労働組合総連盟(民主労総)は「労働者・庶民の国は左右の方向指示器を2つとも出しながら進めるような道ではない」という声明を出した。左に行けば断崖、右に行けば障害物が待っている局面だ。

  国民の間では「この政府に対する希望が消えて久しいが、どうか国民の税金だけはだめにしないでほしい」という言葉がおおっぴらに出てくる。企業家は「投資が崩れて業種ごとにすべて中国などに追いつかれている局面で敵味方に分かれている時か」と訴える。経済活力回復のためにはいくつかのミクロ政策ではなく根本的な変化が切実だ。百の言葉よりもすぐに一つでも実践して、経済主導者の信頼から回復しなければならないだろう。

  だが、大統領が産業界の苦しみを聞くと言っているが、参謀は企業を再生させることすら大企業や中堅・中小企業に振り分けるというやり方だ。経済は「開放系」なのに政策マインドは「閉鎖系」的な考え方に閉じ込められている。左派経済観の根本的な盲点でもある。原理主義共産国家だった中国は改革・開放40年間、市場経済を通した「実事求是」で今日の成功を収めた。その土台となった「黒猫白猫論」が最も切実なのが今の韓国だ。消えていこうとしている経済を再生することさえできるなら、黒猫だろうと白猫だろうと何が問題なのか。
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